【カナダ・トロント23日(日本時間24日)発】エンゼルスの大谷翔平投手(23)はブルージェイズ戦に「5番・DH」で先発出場した。相手先発は5年目の右腕、サンチェス。2015年に15勝(2敗)を挙げ、防御率3・00でア・リーグの最優秀防御率に輝いている。

 2回無死一塁第1打席は初球、外角のツーシームを見送ってボール、2球目はチェンジアップを内角低めに決められた。3球目は外角高めのツーシームを空振り。4球目、外角高めの152キロのツーシームにバットが空を切り、空振り三振に倒れた。4回一死無走者は四球。

 開幕後、二刀流で全米で注目されている大谷は22日(同23日)、DHとしてオールスター戦(7月17日=同18日、ワシントン)のファン投票に登録された。レッドソックスのマルティネス(15本塁打、41打点)、ヤンキースのスタントン(11本塁打、28打点)、アスレチックスのデービス(13本塁打、38打点)らのライバルは強力だが、話題性では圧倒。日本人選手として01年のイチロー(マリナーズ)以来の両リーグ最多得票も期待されている。

 その大谷はこの日のフリー打撃では中堅から左中間方向を中心に柵越え10本。22日のように5階席への驚弾はなかったが、中堅バックスクリーン上にあるバーに特大弾を放つなど、入場したばかりの観客を驚かせていた。

 試合前、打球を遠くへ飛ばす大谷の能力について聞かれたソーシア監督は「シンプルに、体をうまく使ってスイングしているということだろう。みんなが見ている通り、ゴルフボールみたいにボールをクラッシュさせている。なぜならタイミングを合わせて、(ボールに)力を加えているからだ。(ボールに)バックスピン(をかけること)が、(ボールを)遠くへ運んでいることも間違いない。彼に才能があることはもちろん、打つ方も投げる方もよく練習している」との見解を示した。

 大谷は4勝目を挙げた前回の登板後、2日間ノースローだったが、この日は打撃練習後には、水原通訳を相手に10分ほど、軽めにキャッチボールを行った。次回登板は27日(同28日)の敵地でのヤンキース戦。田中将大投手(29)との先発対決に静かに闘志を燃やしている。