大谷 大エースに投げ勝ち3勝目!敵地で拍手とブーイング

2018年05月08日 11時00分

マリナーズ打線相手に力投する大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

【ワシントン州シアトル6日(日本時間7日)発】エンゼルスの大谷翔平投手(23)は敵地でのマリナーズ戦に先発し、6回0/3を1本塁打を含む6安打2失点、6三振3四死球で3勝目(1敗)をマークした。フォーシームのMAXは99・5マイル(160キロ)だったが、抜群の制球力で強打のマリナーズ打線に力負けしなかった。チームは勝ち、ア・リーグ西地区首位をキープ、自身も白星を手にしたものの、楽しみにしていたイチロー外野手(44)との対決が実現しなかったことだけは残念だったに違いない。

 0・5ゲーム差の首位攻防戦、相手は大エース・ヘルナンデス、おまけに中11日の登板となれば、プレッシャーを感じる登板だが、大谷には全く関係なかった。

 フォーシームは100マイル(161キロ)超え連発とはいかず、最速99・5マイル(160キロ)止まり。しかし、制球力は抜群だった。フォーシームに加え、“悪魔のような”と形容されたスプリット、割合を増やしたスライダー、カーブを外角低めにズバズバ決めてマリナーズ打線に狙い球を絞らせなかった。奪った6三振のうち、スプリットが1つでスライダーが5つだった。

 4月27日(同28日)のヤンキース戦で走塁の際に左足首を捻挫。当初、予定されていた1日(同2日)のオリオールズ戦を回避した。中11日で実戦勘が心配されたが、その間、DHで4試合先発出場しており、影響はなかった。

 初回、先頭ゴードンを内角低めのフォーシームで二ゴロ。2番セグラはスプリットで空振り三振。3番カノはカーブが外高めに入ったが、平凡な右飛と簡単に三者凡退。これで波に乗った。6回まで先頭打者を出塁させなかった。

 この日は正捕手のマルドナドが家族の不幸で遠征に帯同しておらず、初めてリベラと組んだ。しかし、サインに首を振るところは遠慮なく振り、球種やコースを選んだ。また、味方の攻撃中にはベンチで通訳を通してリベラと密に話し合うなど、配球が単調にならないよう細心の注意を払いながらマリナーズ打線に立ち向かっていった。

 また、打席によって勝負球を変えた。2打席連続で変化球を狙ってきたカノの3打席目はフォーシームで左飛。2打席連続でフォーシームを安打されたシーガーの3打席目はスライダーで二ゴロに仕留めている。6回にクルーズにメジャー初死球を与えたが、動揺することなく無失点に抑えた。

 7回先頭ハニガーに中前打され、続く7番ヒーリーにフルカウントから真ん中に入ったスライダーを左翼席に運ばれて失点を喫したが、堂々の投球。降板する際にセーフコ・フィールドの観客席から拍手とともに容赦ないブーイングが浴びせられた。それは敵地のファンに認められたということだ。

 それにしてもこれだけの投球を見せつけられるとイチローとの夢対決が実現しなかったことは残念だ。クラブハウスかベンチ裏のテレビを見ているイチローを意識していただろう。4日(同5日)のマリナーズ3連戦の初戦では「5番・DH」で先発し、4打数2安打1打点。ベンチにいない背番号51を意識し「野球教室に来た小学生が張り切っていいところを見せようという気持ち」と舞い上がったことを告白している。マウンドと打席で向かい合いたかったはずだ。今季は対決する可能性は消滅したが、来季は分からない。

 7回を投げきれなかったことは不満だろうが、やるべきことはやった。これで3連戦を2勝1敗で終え、ア・リーグ西地区首位をキープ。二刀流が投打でチームを引っ張る。