【選抜】明秀日立ナインが恐れる鬼監督の「勝手にせえ!」

2018年03月28日 16時30分

明秀日立ナインが恐れる金沢監督(右)

【ズームアップ甲子園】第90回選抜高校野球大会第5日第3試合は、初出場の明秀日立(茨城)が高知(高知)に10―1と大勝し、3回戦進出を決めた。初回、制球の定まらない相手先発・中屋の立ち上がりを捉え3得点。2回にも2番手の森を打ち崩し、8回には打者一巡の猛攻でダメ押しの3点を追加した。投げてはエース細川(3年)が5安打1失点の完投。投打で高知を圧倒した。

 快進撃にもナインの表情は決して明るくはない。その理由は“鬼”の存在だ。金沢成奉監督(51)は光星学院(現八戸学院光星=青森)の監督として春夏通算8回の甲子園出場を誇り、巨人・坂本勇らを育てたことで知られるが、明秀日立でも厳しい指導を徹底させている。

 ある選手は「監督は死ぬほど怖くて、怒ると怒鳴りながらにじり寄ってくる。怖いだけならいいんですが、怒りが頂点に達すると『勝手にせえ!』と言って練習に来なくなってしまう。ひどいときは1週間も戻ってこないので、そのたびにミーティングをして主要メンバーが謝りに行くんです」と指揮官の実態を明かす。テコンドーの猛者という一面もあり、武道家らしく野球だけでなく、生活態度に緩みが見られるとカミナリが落ちるという。

 さらに「秋の関東大会では準々決勝の試合中に『勝手にせえ!』状態になってしまって、選手たちだけで乗り切った。甲子園でもいつそうなるかわからないので、心の休まる暇がない。現に、こっちに来てからも宿舎の風呂の入り方で一度『勝手にせえ!』を発動しています」とも…。それでも「監督はベンチでも僕らより声を出すし、試合後はいつもかすれ声。怒られるのは僕らがしっかりできていないからです」と、信頼関係は揺るぎない。

 甲子園での試合中に「勝手にせえ!」が飛び出したらたまらないだけに、常に神経をとがらせている明秀日立ナイン。次戦は優勝候補筆頭の大阪桐蔭(大阪)だが“鬼監督”を相手に研ぎ澄ました集中力で金星を狙う。