【センバツ】“予告ミラクル劇”だった明徳義塾

2018年03月26日 16時30分

サヨナラ弾の谷合(中)を迎える明徳義塾ナイン

 第90回選抜高校野球大会第3日第1試合で、明治神宮大会覇者の明徳義塾(高知)が初出場の関東王者・中央学院(千葉)を7―5で下した。

 1点を追う9回、二死走者なしから安打と死球で好機をつくると、4番・谷合(3年)が起死回生の逆転サヨナラ3ラン。節目の甲子園通算50勝を飾った馬淵監督は「ベンチを出て、跳びはねて喜んだ。4番の働きをしてくれた」と主砲の一発をたたえ「この試合は忘れられないでしょうね」と感無量の表情だった。

 この試合、中央学院は“奇襲”を仕掛けてきた。前回直接対戦した明治神宮大会2回戦からの大幅なオーダー変更で、本来は4番が指定席の、投打でプロ注目の二刀流・大谷(3年)を1番起用。これには明徳ナインも動揺し、ある主力選手は「いい打者だけど、投手が1番というのはさすがにやりすぎだと思った。これで負けたら『奇策にやられた』となる。そう思うと気持ちが高ぶってしまった」。そんなナインに試合直前の馬淵監督はこう話したという。

「お前ら、勝ったぞ。普通は投手を1番なんてやらない。こっちが上だからやるんだ。だから腰を据えて戦え」

 序盤の市川の好投、一気に3点を奪った初回の鮮やかな攻撃は、名将の言葉のたまものだった。終盤に逆転されながらも、8回の守りでは、2度もスクイズを読み切り、見事に阻止して逆転勝ちの呼び水とした。

 中盤は手を焼いた好投手・大谷についても「気が短いタイプだからイライラさせると糸口になる。追い込まれたらファウルで粘れ」。そうしたボディーブローのような地道な攻撃を積み重ね、難敵攻略に成功した。

 最終回「あと1人」から驚異の粘りでつないで、最後は4番のひと振り。ミラクルというよりは、これが甲子園常連校の底力なのかもしれない。