【センバツ】昨秋の大阪大会制した上宮太子・日野監督は「大阪決勝対決」に複雑な胸中

2017年03月31日 22時06分

上宮太子・日野利久監督
上宮太子・日野利久監督

 第89回選抜高校野球大会の決勝(4月1日、甲子園)は履正社—大阪桐蔭。史上初の大阪対決で話題だが、昨秋の大阪大会で優勝したのは両校のどちらでもない。近畿大会準々決勝で敗退し、惜しくもセンバツ出場を逃した上宮太子だ。昨秋大阪2位の履正社と同3位の大阪桐蔭の日本一争いに上宮太子・日野利久監督の心境はいかに。大阪野球の強さの秘密も含め、決勝が雨天順延となった31日、緊急直撃した。

 ——センバツ決勝が大阪対決。今の率直な感想は

 日野監督:やっぱりそうかという感じですね。桐蔭も履正社も間近で見て、両校のチーム力が抜けてるのは僕らが一番よくわかってる。2校が出場すればこうなる可能性も当然あるわけで、驚きはそれほどなかった。どちらに勝ってほしいというのはない。強いて言うならどちらにも勝ってほしくないですね(笑い)。

 ——昨秋の大阪府大会決勝では履正社に10—3で大勝した

 日野:たまたま勝てたのは秋のチームで、近畿大会出場が決まっていた決勝だったから。ある意味負けてもいいという試合で、履正社にもスキがあった。「夏も勝ちます」なんてよう言えない、言ったら笑われますよ。(大阪桐蔭監督の)西谷さんも(履正社監督の)岡田さんも、太子のことなんて何とも思ってない。まあ、警戒はしてくるでしょうが。夏までにもう一回鍛え直して、運も味方につけて何とかという感じです。

 ——しかし、現状に悔しさもあるのでは

 日野:選手たちには、多少はうらやましさはあるでしょう。自分たちも出たかったと。でも、桐蔭や履正社の子たちは入学前から本気でやってきて、絶対甲子園に行かないといけない、そこで勝たないといけないという思いでやっている。うちは行けたらいいな。だから、選手たちには「履正社にウチは勝った。それは事実や。ただ本当に実力があったら(センバツに)出てる。そこを勘違いすんなよ!」とは口すっぱく言ってます。

 ——それでも大阪を制したのだから実質、日本一では

 日野:ははは。校長はよう言いますよ。「履正社が優勝したら実質、日野くんが日本一の監督やー」言うて(笑い)。勘弁してください、そんなん言うたら笑われますて。その呪縛はもう捨てて、夏、またゼロからやるだけです。

 ——それにしても、なぜ大阪のチームはこれだけ強いのか

 日野:中学のボーイズ、シニアの熱心な指導者の方々のたまものですかね。PLが廃部になって、今は桐蔭と履正社の2強時代。お互い切磋琢磨して、またレベルが上がるというのはあるでしょう。阪神人気も関係している? それはないと思いますよ(笑い)。僕は阪神ファンですが、今の子らのプロ野球離れには結構なものがありますから。

◇  ◇  ◇

 日野監督は謙遜するが、上宮太子の選手たちは「夏こそ甲子園出場を」と燃えている。

 強打の履正社を3失点に抑えたプロ注目右腕の森田(3年)は「(センバツに)出れないというのは予想していた。今はもう夏に切り替えて練習しています」ときっぱり。しのぎを削り合った大阪勢の躍進も「昼間は練習しているので、夕方のニュースで結果だけ知るくらい。改めて大阪のレベルの高さを感じて、自信になる部分はあります」とモチベーションに変えるつもりだ。「他の(地域の)学校はもう(大阪桐蔭と履正社の)2校と戦えないけど、僕らはまだ2校とも戦うチャンスがある。潰し合い? それよりも、どっちも当たって倒したい気持ちが強いです」と腕をぶす。

 主将の中山(3年)は「やっぱり悔しいですよ。正直(センバツに)行きたい思いはあったけど、出られなかったことは仕方がない。やるせなさ? それは全くないです」と未練はない。「秋は大阪で1位になっても、近畿で結果を出さないと意味がない。周りから『どうして出られないの?』とか『どうやって勝ったの?』とか言われたこともあります。でも、夏は勝ったら文句なしに出場できる。条件が単純な分、今はむしろ燃えてます」

 センバツ決勝については「履正社に勝ってほしい。ウチにしか負けてないままで、夏にもう一度倒して、秋の勝利が奇跡だと言わせないようにしたい」と2人。夏、大阪で2度目の頂点を狙う。