第89回選抜高校野球大会第9日の28日は引き分け再試合となった2回戦2試合が行われ、第1試合では福岡大大濠(福岡)が滋賀学園(滋賀)を5―3で下して準々決勝に駒を進めた。

 5回にプロ注目捕手の3番・古賀(3年)が2ランを放ったが、光ったのはエース・三浦(3年)の頑張りだ。2日前に196球を投げた体にむち打っての130球完投。創志学園(岡山)との1回戦も149球を1人で投げ切っており、今大会でここまで投じた球数は計475になった。

 そんな右腕のスタミナの秘密は趣味のロードバイクにある。1年前に購入した黒色の「TREK」(約10万円)に乗っており、自転車仲間の二塁手斎藤(3年)は「三浦は自転車屋で月イチのメンテを欠かさないほど大切に使ってる。僕は三浦と一緒じゃなきゃ走らないけど、三浦は1人でも走る」と明かす。他の選手たちがヘトヘトで体を休める週1度のオフにも、愛車にまたがって遠出するのだという。ある休日には、自宅から約10キロの日本三大八幡「筥崎宮」まで走ったそうだ。

 野球部のグラウンドは学校がある福岡市の中心地から約15キロの距離。通常は送迎バスで移動するが、春休みや夏休み期間などバスが出ない日でも、三浦は涼しい顔をして坂道の多い道を自転車で往復する。斎藤は「足腰が鍛えられるし、スタミナも強くなる。好きな趣味で気持ちがリフレッシュできる効果もある」と自転車が粘りの投球にプラスになっていると指摘した。

「よく30キロくらい走りますね。ロードバイクがスタミナの秘訣? はい、そうです!」と三浦も認める。走り続けるほど元気になるエースに注目だ。