第89回選抜高校野球大会第8日(27日、甲子園)、大阪桐蔭(大阪)は静岡に11―8と逆転勝ちし、8強進出を決めた。

 初回から激しい点の取り合いとなった。大阪桐蔭は打者10人の猛攻で一気に6点を奪い、静岡の左腕エース・池谷(3年)の出はなをくじいた。一方的展開に持ち込んだかに見えたがその裏、静岡が猛反撃。こちらも打者一巡の猛攻で6点を奪い返した。大阪桐蔭は、先発・横川(2年)が一死しか奪えず降板したのが誤算だった。2回には3番手・徳山(3年)が勝ち越しを許し、試合をひっくり返された。

 だが、終盤に底力を見せた。6―8で迎えた8回、相手失策も絡んで同点に追いつくと、代打の西島(3年)が殊勲の決勝適時三塁打。見事な逆転劇に西谷監督は「西島がよく打ってくれた。日頃からしっかり準備してくれている。ムードメーカーが打ってくれた」とヒーローをたたえた。

 盛り上げ役の一打で流れを引き戻すと、9回にも2点を追加してシーソーゲームにケリをつけた。

 8回からは内外野に投手、強打で主軸を担う“4刀流”で話題の根尾(2年)がマウンドへ。初の聖地での登板に「自分がやろうとした形と違った。体が突っ込んだ。甲子園は不思議な場所」と力みながらも2回無失点で試合を締めた。