第89回選抜高校野球大会第7日(26日、甲子園)、福岡大大濠―滋賀学園は延長15回、1―1で引き分け、規定により再試合となった。再試合は27日(第8日)の第4試合で行われる。

 福岡大大濠のエース・三浦が196球の熱投を見せた。初回、4番・武井へ投じた甘いスライダーを中前適時打されて1点を献上。しかし、その後は立ち直り、味方の反撃を待つ。8回に待望の1点が入ると、9回で決着はつかず、1―1のまま延長に突入。三浦は何度も得点圏に走者を背負いながらも、粘りの投球で乗り切った。

 滋賀学園の先発・宮城と、8回途中からリリーフした棚原の計190球を上回る196球を投げた三浦は「相手投手がやるならこちらもやる。刺激になった」。

 ある選手は「10回を投げ終わった三浦は、ベンチで『あと8回は投げられるぞ』と(チームメートを)鼓舞した」と明かす。周囲へ見せる負けん気の強さもエース級だが、胸の中には弱気の虫もうごめいていた。試合後はさすがに疲れた顔で「1点差で競るゲームを想像していたが、予想以上にキツかった」。

 右手の握力と下半身には疲れが出ていたといい「基本的には誰にも(マウンドを)譲りたくないけど、8~9回は『正直キツイな。代わってほしいな』と思った」。また「11回を越えたあたりで『そろそろ点を取ってほしいな』と思った」という言葉も正直な思いだ。

 八木監督は「投げることになる」と再試合でも三浦の投入を予告。右腕は、再試合で再び延長になった場合でも「八木先生が決めることなので、自分はしっかり準備するだけ」と言い切った。