第89回選抜高校野球大会第7日(26日、甲子園)、報徳学園(兵庫)が前橋育英(群馬)を4―0で下し、8年ぶりのベスト8進出を果たした。

 多治見(岐阜)との1回戦で7回2安打無失点と好投したエース・西垣が、この日も快投。要所でフォークが冴えて10三振を奪い、132球で完封してみせた。「公式戦で完封したことがなかったので素直にうれしいです。前半に変化球が低めに決まった。自分の中でベストピッチングです」とお立ち台で胸を張ったが「まだできるので今日の内容は80点。走者を出してからの制球が課題」と反省も忘れなかった。

 永田監督は「気持ちが表に出ていた。球速はそれほどでもないと思うが、手元で伸びていた。気持ちが乗り移っていたと思う」と気迫の投球をベタ褒めだ。

 秋の時点で「これまでで最弱」と新チームをこき下ろしてきた指揮官は「完封なんてほとんどないのに、甲子園へ来て選手がひと回りもふた回りも大きくなっている。秋で苦労して冬に頑張ってきて『甲子園でアッと言わせてやろう!』と言ってきたが、その成果をここで見せてくれている。高校生の成長はすごいですね」と目を細めた。

 今大会限りで勇退を表明しており「生徒たちにただ感謝です。感動を覚える。怖いぐらいめちゃくちゃ落ち着いている。まだまだいけると思う」。“最後の春”の快進撃はまだまだ終わりそうにない。