第89回選抜高校野球大会(19日開幕)の甲子園練習が14日に始まり、プロ注目のエース三浦と捕手・古賀を擁する福岡大大濠が登場した。三浦は「初めてのマウンドで緊張したが、新鮮な気持ちで投げられた」。古賀は「憧れの場所に来たという感じ」と心を躍らせた。

 福大大濠が誇る扇の要が、たくましくなって甲子園に乗り込んできた。九州王者として臨んだ昨秋の明治神宮大会、準決勝の早実戦で4四死球を与えた清宮との対戦がターニングポイントとなった。「清宮から逃げていた…」と言う古賀は、みじめなリードとの決別を誓い、捕手のイロハを学び直してきた。

「『野村の遺言』という本を読んで試合は捕手がつくるということを再認識した」。名捕手・野村克也氏の著書を教科書代わりに配球や駆け引き、打者心理を読み取る術を徹底的に研究。三浦に「もっと安心感を与えられる捕手になりたい」と、ワンバウンド捕球の練習にも没頭してきたという。

 二塁送球タイム1・86秒、高校通算44本塁打を誇る強肩強打の捕手は、チーム一の負けん気の強さを買われ、新チーム移行と同時に遊撃手からコンバートされた。捕手歴は6か月だが、人一倍の努力と練習量で急成長。今ではプロスカウトの熱視線を浴びる。

 順調に勝ち進んでも早実と対戦できるのは決勝。古賀は「できるならもう一度早実と対戦したい」とリベンジに燃えている。