「第98回全国高等学校野球選手権」西東京大会は23日、明治神宮球場で準々決勝が行われ、早実は4―6で八王子に敗れた。早実の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(2年)は「3番・一塁」で先発出場し、3打数1安打1打点。怪物2度目の夏は西東京ベスト8で幕を閉じた。

 5回に4番・野村の三塁打で2点を先制したが、その裏に投手陣がつかまり5失点。6回には、押し出し死球で1点を追加された。

 8回に1点を返し、3点差で迎えた9回、代打・西田、1番の主将・金子の連打などで一死一、三塁とし、清宮が打席に入る。初球だった。「行ってくれという気持ちだった」という清宮の願いもむなしく、高く舞い上がった打球は右翼手のグラブに収まった。

「3年生ともうできない。悔しいです。自分たちを背中で引っ張ってくれた人たち。金子さん、副キャプテンの吉村さんは泣かずにすがすがしい顔をしてて、自分たちは頼り切っていたんだなと。(甲子園に)連れて行きたかった」と試合後は涙が止まらなかった。

 それでも「西東京を勝ち抜くのが一番難しい。今年、改めて難しさを実感させられた。甲子園は本当に遠いところ。この経験、この悔しさを共有して、日々練習に取り組んでいきたい」と前を向いた。

「この負けがいつか、自分にとって必要な負けだった、そう言えるような野球人生を、これから歩いていきたい」。悔しさを胸に“最後の一年”に臨む。