【ズームアップ甲子園】第88回選抜高校野球大会第6日の25日、第3試合の釜石(岩手)戦で滋賀学園(滋賀)の4番・馬越大地内野手(3年)が2ランを含む5打数3安打4打点の大暴れ。チームの8強入りに貢献した。

 バットを頭の上でグルグル回してタイミングを取る“ヘリコプター打法”が注目を集める中、馬越はその実力を見せつけた。1回一死二、三塁で右前へ先制打。4回一死二塁では左越えの適時二塁打で中押し点。そして8回二死二塁では釜石・岩間の投げた初球を左中間スタンドに運ぶダメ押しの2ランだ。会心の一撃に「打席に入る前に監督から『フルスイングだけしてこい』と言われていた」と笑顔で話した。

 そんな馬越はチームナンバーワンの大食い男でもある。1年生の時には夕食の2時間前にラーメン店を訪れ、なんと替え玉を7回も注文。その後に寮で出された夕食もペロリとたいらげたという。白米を制限されており、毎晩おかずばかりを大量に食べるが、底なしの胃袋を持つ馬越が寮の分で足りるわけがなく、おかずを求めてコンビニにも足しげく通っているそうだ。

 実は23日から馬越の夕食はサラダとみそ汁のみとなった。山口監督に太りすぎを指摘されたからで「馬越は『つらいわ~。一番の楽しみがなくなった』ってボヤいてましたよ」(ある選手)。我慢できずに試合前日(24日)の夕食で馬越は監督から一番離れた席に背を向けて座り、こっそりフライを口にしたが、すぐに監督に発見されて「『何、食っとるんや!』って、怒られてましたよ」と別の選手は思い出し笑いだ。

 2月の沖縄合宿では名産のあぐー豚にちなんで監督から「あぐー」というあだ名をつけられた。後輩からも愛情を持って「ブタ」と呼ばれることもあるが、頼れる4番は胃袋同様に懐も深く受け入れている。聖地で“上昇気流”に乗ったヘリコプター男。知名度もアップし、さらに人気者となりそうだ。