甲子園の注目を一身に浴び続けた怪物1年生、早実・清宮が泣きじゃくった。

 第97回全国高校野球選手権大会・準決勝(19日、甲子園)で早実は仙台育英のエース・佐藤世の前に6安打で0―7の完封負け。清宮も3打数1安打に終わり、非情のゲームセット。世話になった上級生の優しい声掛け、スタンドの温かい声援に涙が止まらなかった。

 何度もスタンドに目をやり、その光景と悔しさを胸に焼きつけた。

「甲子園はこれで最後…。ここを去らないといけない。泣くつもりはなかったけど…。甲子園が見送ってくれているような気がして“ありがとうございました”という気持ちでした。3年生がいなかったら今の自分はない。生まれ変わっても上級生ともう1回野球がしたい」

 グラウンドの土はあえて持ち帰らず「また戻ってくるのでいらないっス。まだ終われない。(相手の)校歌を聞いて悔しかった。あの光景は絶対に忘れたくない。この経験を無駄にせず、甲子園に戻って来て上級生の分まで躍動できればいい」と誓った。