第87回選抜高校野球大会(21日から12日間、甲子園球場)の組み合わせ抽選会が13日、大阪市内で行われた。プロ注目の選手も名を連ねる今大会。初出場6校を含む32代表の頂点を決める戦いで紫紺の優勝旗を手にするのはどこか。その行方を占った。

 本命は昨秋の神宮大会を制した仙台育英(宮城)だ。

 エース・佐藤世(3年)は大会屈指の好投手。181センチ、80キロの恵まれた体格から繰り出すストレートは140キロを軽く超え、2種類のフォークも使いこなす。打線も郡司(3年)、平沢(3年)らスラッガーが揃い、総合力で他校を頭一つリードしている。

 対抗は“西の横綱”大阪桐蔭(大阪)。突出したスターは不在だが、底力は随一。昨夏Vを経験したエース左腕の田中(3年)は緩急をつける投球術で安定感を誇り、同じく左腕の松井(3年)も控える。主将の福田(3年)、青柳(3年)、藤井(3年)のクリーンアップを中心に、どこからでもチャンスメークできる強力打線は健在。夏春連覇に向けて視界良好だ。

 関東勢では2年ぶりの頂点を目指す関東大会覇者の浦和学院(埼玉)。神宮大会では決勝で仙台育英に惜敗したが、エース左腕の江口(3年)は制球力に磨きをかけ、打線も津田(3年)、山崎滉(3年)、高橋(3年)と3割打者がズラリと並んでいる。さらに九州大会王者の九州学院(熊本)も上位進出が十分可能な戦力。エース・伊勢(3年)は安定しているし、打線も破壊力抜群と攻守に高い完成度を誇っている。

 注目はMAX152キロの剛腕・高橋(3年)を擁する県岐阜商(岐阜)。プロスカウトが早くもドラフト1位候補に推す逸材が、いよいよ全国“デビュー”を果たす。「チームが勝って、自分も最速に挑戦したい。自分の特徴のストレートを生かしたい」と高橋は腕をぶし、チームに75年ぶりの優勝旗をもたらす構えだ。

 他にも昨夏4強のエース・平沼(3年)がスケールアップした敦賀気比(福井)、古豪・天理(奈良)もリードオフマンの舩曳(3年)を中心に総合力でトップクラス。昨春Vの龍谷大平安(京都)も虎視眈々と連覇を狙っている。