第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)準々決勝の26日、第3試合は智弁学園(奈良)が明徳義塾(高知)に3―2のサヨナラ勝ち。甲子園通算55勝目がならなかった明徳義塾・馬淵史郎監督(65)は〝ラストスピーチ〟とばかりに総括した。

 今大会の4強が出そろった。準々決勝第4試合のカードが「近畿対決」のため、明徳義塾が敗れた時点で近畿勢のベスト4独占が決定。ご意見番的存在でもある名将はどう受け止めているか――。

 馬淵監督は即座にこう返した。「まず第一に、これだけ雨で延びたら、我々地方から来たチームは練習する所がないんですよ。地元の学校は、自分たちの所で雨天練習できたりですね、やれると思うんですけど。地方から来てる学校は雨が降った時に、なかなか思うように練習場所の確保ができない。宿舎での生活も当然長いですよね。(近畿圏の学校も)みんなホテルでの生活は一緒だと思うんですけど、そういう環境の違いが(大会期間が)長いとどうしてもそう(アドバンテージに)なるのかなと思います」。地方の高野連関係者などが頭を悩ませた問題。それに同調するように「指揮者」の立場で持論を語った。もちろん近畿勢の実力を評価した上で「もう一つは近畿のレベルが高い。レベルが上がっているんじゃないかと。この2点ですね」とまとめた。

 勝とうが負けようが、いつだって制限時間いっぱいに語り尽くすのが名将の流儀。この日も勝敗の分岐点、高校野球界への提言も含めて、歯に衣着せぬ物言いで報道陣の質問を真っ向から受け止めた。