第103回全国高校野球選手権大会、第12日(25日、甲子園球場)の第3試合は、神戸国際大付(兵庫)が長崎商に延長10回、逆転サヨナラ勝ちを決めて初のベスト8進出を果たした。1点を勝ち越され、4―5で迎えた延長10回、二死二、三塁で打席に入った主将で4番・西川(3年)が「ここで打てば逆転や」と初球を振り抜くと、痛烈な打球が三塁の横を抜けて2者生還。6―5と一進一退の死闘に終止符を打った。

 青木監督は「紙一重でしたね。本当に苦しかった」と疲れた様子。3戦すべてを1点差勝ちし、驚異的な粘りの野球を見せていることには「力があるからなのか、取れるところで取れないからなのか…」と自嘲気味に話した。

 殊勲の西川は5打数4安打3打点。2点を追う2回には左翼席に大会29号となるソロを放ち、三塁打が出ればサイクルという活躍だった。「勝ち切る、という言葉を胸に一戦必勝でやってきている。延長10回も勝ち切るぞー、と大きな声を出していた。苦しい場面があっても勝ち切れたのは大きい。学校の新たな歴史を決められてうれしい」。それでも1点差勝利続きについては「圧倒的な力で勝ててないのは実力のなさ」とも…。近江(滋賀)との準々決勝では投打に圧倒できるか。