雨に泣いた。第103回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)の第5日(17日)第1試合で東海大菅生(西東京)が大阪桐蔭(大阪)と対戦。8回途中で降雨コールドとなり、7―4で敗れ、1回戦で姿を消した

 雨中のプレーボール。悪コンディションでマウンドがぬかるみ、足元を気にしながらの投球を強いられた先発左腕・桜井(3年)は初回からいきなり4番・花田に先制2ランを被弾した。3回も2番・藤原、5番・前田にそれぞれソロアーチを浴び、4失点で降板。4回から代わったエース左腕・本田(3年)も足を滑らせるなど苦しみ、7回まで5安打3失点。どうしても本来のリズムは取り戻せなかった。
 
 雨脚が激しくなり、グラウンドに水が浮き始めた7回。4点を追う展開から6番・山田(3年)、7番に入った本田の連続二塁打で1点を返し、さらに二死満塁の場面で3番・堀町(3年)が右中間2点二塁打を放って追い上げムードを一気に高めた。

 しかし3点差で8回一死一、二塁としたところで降雨により、試合は中断。約30分後に非情のコールドゲームが宣告された。

 試合後の若林弘泰監督(55)は「しょうがないですね。これだけ大会が順延となった中、1試合でも多くこなしていかなければいけないので」と冷静にコメント。そして「中断になったところで僕もまずいなと思った。泣き崩れる選手もいたので、多少は(降雨コールドを)覚悟していたのかもしれない」とも語った。
 
 本田も「すごく足元も気になって、ボールも気になって投げづらかったが、雨の割には腕を振れて投げたと思う」と気丈に振り返った。だが、その後は「(中断中に)ベンチ裏で集合したときに監督から雨天コールドと聞かされ『うそだろ』と思ったが、審判さんが手を挙げて現実を受け入れるしかなかった」と本音ものぞかせた。
 
 2015年センバツ初戦以来の激突でリベンジを狙ったが、強雨に横やりを入れられる形で再び大阪桐蔭の前に屈した。
  
 なお、大会本部はこの日予定されていた第2試合以降の3試合をすべて18日に順延し、18日以降に組まれていた試合日程も1日ずつずれると発表した。従って準々決勝翌日の休養日は26日となり、決勝戦も28日開催となる。