第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)は13日、予定されていた大会第3日の4試合すべてが天候不良により、14日に順延された。12日に続く2日連続の順延は、第96回大会(2014年)の開幕日が2日順延になって以来。今大会は開幕日の順延も含めて早くも3度目の順延となり、3回戦終了後の休養日が取り消しとなった。決勝は27日に行われる予定だ。

 5年ぶり2回目の出場となる高川学園(山口)は、甲子園室内練習場で約2時間の調整。ナインの動きを見守った松本監督は「いい意味で緊張感がほどけてきて、プレーの硬さが取れてきたのかなと思う。普段通りプレーできればと思います」と前向きに捉えた。

 この日は前日の練習よりもスイング量、走る量を意識的に増やした。14日以降もあいにくの天気が続きそうな予報だが、気持ちを切らさず、運動量を調節しながら「勝負の時」に備えるのみだ。

 ナインの気持ちを代弁するように、静かに闘志を燃やすのはエース左腕の河野(3年)だった。県大会5試合を1人で投げ抜いた文字通りの「大黒柱」。異例の2日連続順延にも「ポジティブにいい休養と捉えられている」。時間ができた分、対戦相手の小松大谷(石川)打線の攻略イメージはさらに膨らんでいる。「甘くならないように、コースにきっちり投げ切りたい」。140キロ超の真っすぐと70キロ台のカーブを織り交ぜる「緩急」で勝負する。

 天から平等に与えられた48時間の追加タイム。「甲子園でも一人で行きたいが、(控える)2人も頼れる投手。全員で勝てるような試合にしたい」。あとは開始のサイレンを待つだけだ――。