動じることはない。第103回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)で5年ぶり2度目の出場を果たす高川学園(山口)の面々はあくまでも平常心を貫いた。第4試合で小松大谷(石川)と対戦する予定だった12日の大会第3日は降雨のため全カードが13日に順延。この日は甲子園の室内練習場で約2時間の調整を行い、カットプレーの確認など守備練習やティー打撃、フリー打撃で汗を流した。

 初日も含め、これで大会は2日延期となった。それでも松本祐一郎監督(34)は「予定通りに越したことはないが、開催できたことに幸せを感じている。延びたことには何も感じないし、前向きにとらえている」と冷静にコメント。その言葉通り、今夏の山口大会を1人で投げ抜いたエース左腕・河野颯(3年)についても「疲労も抜けて今は状態的にすごくいい状態。(山口大会の)決勝戦よりはボールも良くなって戻ってきたなという印象がある」と評した。

 河野とバッテリーを組む主将の山崎帆大捕手(3年)は相手の小松大谷に関し「打力のあるチーム。狙い球を絞らせず、自分たちバッテリーで崩していきたい」と評し、闘志をみなぎらせた。また、前日11日には横浜が9回二死から逆転3ランで広島新庄にサヨナラ勝ちを果たした試合を宿舎でテレビ観戦し「広島新庄さんとは去年対戦したので複雑な思いもあった。最後の1球まで何が起こるか分からない。刺激をもらった」ことも明かしていた。

 春夏合わせて甲子園に2度出場しているが、いずれも初戦敗退。まずは悲願の聖地1勝を目指す。