第103回全国高校野球選手権大会(9日開幕、甲子園球場)の組み合わせ抽選が3日、オンラインで行われた。11年ぶり6度目の出場となる西日本短大付(福岡)は第5日第3試合で、二松学舎大付(東東京)との初戦が決定。最速144キロ右腕・大嶋柊投手(3年)を軸に激戦の福岡大会を勝ち上がったチームが、1992年夏以来の全国制覇を本気で狙う。

 懐かしい名前の古豪が夏の聖地に戻ってきた。第74回大会に「1人エース」の森尾和貴投手を擁して優勝した通称「西短」。大嶋も福岡大会7試合中6戦を1人で投げ抜いており、伝説のエースと重なる。

 甲子園出場が決まると、代表的OBの新庄剛志氏(元阪神)が速攻で反応した。自身のインスタグラムに「勝ち負けよりも甲子園での野球をちかっぱ楽しんで暴れてきんしゃい!! 新庄剛志」とのメッセージが入った黒地と赤地のTシャツのデザイン画像をアップ。大会本番までに「西短ナインの手に届くように全力を尽くしてみる」と母校愛全開で祝福し、熱烈エールを送った。かつては新車のマイクロバスを寄贈したこともある漢・新庄。「球児の神髄」を突く言葉が背中を押すはずだ。

 主将の池田(3年)は「92年以来、県勢の優勝がないので、全員野球で全国制覇を狙いたい」と意気込む。新庄先輩が大暴れした聖地――。「新庄魂」を胸に、後輩たちが全身全霊で白球を追う。