【センバツ】明豊、初Vならず 智弁和歌山OB&元コンビニ店長の川崎監督「まだ早いと…」

2021年04月01日 19時03分

準Vに終わり、スタンドに挨拶して引き揚げる川崎監督(右)と選手たち

 準優勝でも胸を張れ。「第93回選抜高校野球大会」11日目の31日、甲子園球場で決勝戦が行われ、明豊(大分)は東海大相模(神奈川)に2―3でサヨナラ負け。惜しくも悲願の初V、大分県勢としては54年ぶりのセンバツ優勝は果たせなかった。それでも春の聖地で吹き荒れた明豊旋風は確かな痕跡を残したと言っていい。智弁和歌山の元球児でコンビニ店長も経験した異色経歴を誇る川崎絢平監督(39)の指導法はチーム内にしっかりと浸透し、キラリと光った。
 
 あと一歩及ばなかった。2―2で迎えた9回裏。明豊は持ち前の堅守で7、8回の窮地をしのいできたが、この回も内野安打と犠打、申告敬遠を含む2四球で一死満塁の大ピンチを迎えた。最後は相手の鋭い打球が前進守備を敷いていた遊撃手のグラブを無情にも弾き、無念のサヨナラ負けとなった。

 試合後の川崎監督は「持てる力を選手たちがすべて出し切ってくれた。選手に感謝している。ウチも勝つなら、こういう展開だと思っていたが、あと一本が出ず相手が1つ上だった」と冷静に振り返った。

 決勝戦の舞台にふさわしい、1点を争う白熱の好勝負を繰り広げた。まず初回二死三塁から4番・黒木日向(3年)の左前適時打で欲しかった先制点を手にした。直後に同点とされたものの、4回一死満塁から阿南心雄(3年)の左犠飛で勝ち越しに成功。その後、再び同点とされたものの6回以降は互いに譲らぬまま終盤を迎え、最後は力尽きた。

 頂点には辿りつけなかったものの、センバツの檜舞台では勝負強い打撃に加え、この決勝戦も含め全5試合を無失策で終え「明豊イズム」を満天下に示した。だが指揮官はあえて〝らしさ〟を貫き「記録上はゼロが続いて褒めてやりたいところがあるが、今で満足して守備がいいと言ってしまうとこれ以上は伸びない。球際のことだったり、まだまだこの大会でも課題はあった。足りなかった部分をやり直したい」と厳しい言葉を並べた。

 智弁和歌山時代、川崎監督は1年時の1997年夏に全国制覇を経験。立命館大を卒業後、地元の和歌山・海南市で実家が経営するコンビニエンスストアの店長を3年間務めてマネジメント能力も磨き、縁あって2012年から同校野球部の監督として部員たちを指導し続けている。

 自らの〝コンビニ店長時代〟については「アルバイトのクルーは頭ごなしで言うだけでは働いてくれない。どうやったら気持ちよく働いてくれるか。しっかりとコミュニケーションをとって、お客さんのことも常に頭にあった。その中で相手はどう思っているんだろうとか考えていたので、それは(監督業に)生かされているのかなと思う」とも回想している。

 川崎監督にとっては今大会が就任以降、春夏通じて5度目の甲子園(昨春は大会中止)。それを踏まえた上で「今年決勝に出て(2年前のセンバツでの)ベスト4から2つ上がって優勝したかったが、階段は1つ1つしか上がれないと感じた。まだ早いと言われているような気がする」とも述べた。

 選手たちも、その思いは無論同じだ。今夏、もう一度聖地に必ずや帰って来て〝リベンジV〟を目指す決意を早くも固めている。

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