息をのむ投手戦を東海大相模(神奈川)が制した。「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)7日目の26日、第1試合で鳥取城北(鳥取)を1―0で下し、2018年大会以来となるベスト8進出を決めた。

 先発マウンドに立った背番号10の求航太郎(2年)は4回までを僅か2安打に抑える好投。5回からバトンを引き継いだエース石田隼都(3年)もテンポの良い投球を見せ、ピンチを背負っても動じなかった。

 2回に佐藤優真(3年)の三塁線を破る適時打から奪った虎の子の1点を最後まで死守した。圧巻だったのは、そのエースがギアをトップまで引き上げた9回の投球。先頭打者に二塁打を浴び、その後一死三塁と大ピンチを迎えたが、全球直球勝負で2者連続の空振り三振締め。マウンドで雄たけびを上げた石田は試合後「勝てたことが嬉しい。接戦を勝ち切れたのはいいこと。リリーフの難しさはあったが、そういう状況で頼ってもらえているのは嬉しい」と汗をぬぐった。

 門馬敬治監督(51)は9回の攻防について「先頭打者を二塁打で出し、非常に厳しいところだったが、よく石田を含めて選手が守り切って攻め続けたと思う。(タイムを2度取って)一歩も引かず攻め続けると、そういう気持ちを伝えた」とコメント。継投策に関しては「私自身も迷ってはいけないと。攻撃、そして守りでも先手を打っていこうと思った」と振り返っていた。

〝紫紺の大旗〟を手にするまで残り3試合。2011年以来、3度目の悲願達成へ全力疾走する。