1回戦屈指の好カードは近畿王者・智弁学園(奈良)が制した。「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)4日目の23日、第2試合で大阪桐蔭(大阪)に8―6と打ち勝ち、初戦突破を果たした。

 昨秋の近畿大会決勝で対峙した相手にリベンジを許さなかった。初回無死満塁の絶好機から犠飛と6番・植垣洸外野手(3年)の適時三塁打でいきなり4点を先制。さらに6回には無死一、二塁から7番・森田空外野手(3年)が鮮やかなバスターを決めるなど3点を追加し、突き放した。

 先発マウンドに立ったエース・西村王雅投手(3年)は5回まで1安打無失点。6回以降は失点を重ねて2点差に詰め寄られたが、9回から小畠一心投手(3年)がバトンを引き継いで逃げ切った。

 試合後の小坂将商監督(43)は「今日の試合は5、6点の勝負になるなというのを頭に描きながら試合を進めていた。西村は立ち上がりから丁寧に放ってくれていたので、6回以降もいけると思っていた」とコメント。6回のバスター敢行については「練習の時からそういうのを想定してやっていた。それをうまく森田が出し切ってくれたなと思う」と冷静に振り返った。

 そして最後は「気持ちの部分で大阪桐蔭さんに負けずにやってくれた選手が良かった」と強豪相手に強い精神力を貫いたナインを称賛していた。