昨秋関東王者の底力を見せつけた。健大高崎(群馬)が「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)1日目の19日、第3試合で下関国際(山口)を6―2で撃破。2回戦進出を決めた。

 先発したエース右腕・高松(3年)の好投が光った。公式戦初先発ながらも8回まで相手打線を1安打に封じ、9回に失点して完封こそ逃したものの3安打2失点の完投勝利。それでも試合後のエースは「今日のピッチングは自分のテンポ、自分のペースで勝負できたので良かった。ただ勝って嬉しいが、完封できない悔しさがある。まだまだ自分に甘さがある」と笑顔はほとんど見せず、謙虚な言葉に終始した。

 チームはそれまで目指してきた「機動破壊」から長打力重視の「強打破壊」へとバージョンアップ。その自慢の強力打線は序盤の2回に3安打を集中させ、まず2点。終盤の8回には4番・小沢(3年)が右翼フェンス直撃の適時二塁打を放つなど2本の長打と相手の犯した2つの失策にもつけ込む形で計4点を奪い、ダメを押した。

 終わってみればエースの完投、そして打線の8安打6得点で投打がかみ合った。試合後の青柳博文監督(48)は高松について「100球をメドに変えようと思ったが、低めにボールを集めて強気の攻めを見せていたので最後まで投げさせた。非常に良かった」と激賞。終盤にダメ押し点を奪った打線の攻撃に関しても「3点目のツーベースが今日の勝負を決めたと思う」と4番・小沢の一打を褒め称えた。

 これで甲子園の初戦は春夏合わせ、初出場から7戦全勝だ。しかし春はベスト4が最高位で夏も準々決勝どまり。今大会優勝候補の一角に挙げられている関東の強豪が目標とする初の全国制覇に向け、まずは順調なスタートを切った。