2020年甲子園高校野球交流試合は17日に閉幕した。新型コロナウイルスの影響でスタンドへの入場は控え部員や家族などに限られたりと異例ずくめだったが、熱戦の中で多くの選手が輝きを放った。各チーム1試合限定という状況下で、プロのスカウトはどんな評価をしていたのか? 本紙が気になった投手をピックアップした。

【日本航空石川・嘉手苅(かてかる)浩太】嘉手苅(191センチ、106キロ)は巨漢右腕として甲子園を沸かせた。鶴岡東(山形)戦で先発し、5回4失点(自責1点)の内容だったが、最速145キロをマークして大器の片りんを見せた。

 あるスカウトは「ストレートも変化球もまだまだ課題が多いけど、プロでできる何かを持っている。野手のような体形でも力まず、普通に体を使ってストライクを投げられる。耐久性もあるし、投げ方も悪くない」と高評価している。

 何よりの魅力はガタイの大きさ。長身投手はいても体重100キロ超えの投手は少ない。前出のスカウトは「小さい選手というのは例えば社会人野球で成長具合を見続けることができるし、何年か〝寝かせて〟も問題はない。でも、高校生でここまで大きいとすぐにプロで育てたくなる。いくら練習してたって大きくはならない。大は小を兼ねると言うし、大きいだけで武器になる」と将来性に期待した。

 プロ志望届を出す意向で、憧れはエンゼルスの大谷。キャラクター性も十分だけにプロ向きの逸材に違いない。