2020年甲子園高校野球交流試合は17日に閉幕した。新型コロナウイルスの影響でスタンドへの入場は控え部員や家族などに限られたりと異例ずくめだったが、熱戦の中で多くの選手が輝きを放った。各チーム1試合限定という状況下で、プロのスカウトはどんな評価をしていたのか? 本紙が気になった投手をピックアップした。

【中京大中京・高橋宏斗】プロ注目のナンバーワン投手と呼び声の高かったのが、最速154キロを誇り、昨秋の神宮大会を制した高橋(183センチ、84キロ)だ。今回の交流試合では智弁学園(奈良)戦で延長10回を1人で投げ抜き、5安打3失点。9回には最速153キロをマークするなど剛腕とタフネスぶりを見せつけ、チームをサヨナラ勝利に導いた。

 プロのスカウトも「間違いなく即戦力になる。高校生離れした体の強さを持っている。すべてにおいて安定しているし、すでに成長段階の上の方に来ている。プロの一軍選手が見ても同じように思うだろう。大学生レベルでも一級品だし、ドラ1にかかる」と絶賛だ。

 平成以降に高卒ルーキーで2桁勝利した投手といえば西武・松坂大輔、楽天・田中将大(現ヤンキース)、阪神・藤浪晋太郎と多くないが「そこに入っていけるくらいの力を持っている。あとは経験を重ねて木製バットに慣れることと、コンスタントにストライクが投げられるようになること。パ・リーグならいけるんじゃないか」(別のスカウト)。進路はまだ未定だが、プロ1年目から活躍しても不思議ではない。プロとしてはぜひとも獲得したい逸材の一人だろう。