【甲子園交流試合】国士館「脱丸刈り」で初の甲子園 ご褒美だった伝統校の頭髪自由化

2020年08月15日 18時12分

脱帽して校歌を聞く国士館ナイン

「2020甲子園交流試合」4日目の第2試合は、国士館(東京)が磐城(福島)を4―3の接戦の末に破った。試合後、国士館ナインは帽子を脱ぎ、汗で濡れた髪を気持ちよさそうに拭った。スポーツ刈り風に整えられた頭髪は聖地ではまだ珍しい。「短髪ならOK」という基準で、本人の希望で4番打者の黒沢(3年)らはおなじみの丸刈りスタイルで臨んだ。

 国士館が頭髪自由化に方針転換したのは昨秋。ある人物が声を上げなければ、間違いなく今回の甲子園も「全員丸刈り」だった。「監督、スポーツ刈り風の髪型で短髪ならばOKにしませんか」。そう進言したのは、永田監督の腹心・箕野コーチ。「野球人口の減少が止まらない中、少しでも国士館で野球をやりたい、続けたいと思う子を増やしたいと思ったんです。我々の思っている以上に、髪を丸めないといけないということが高いハードルとなって野球をやめる子がいるのかなと感じた。それで監督に相談してみたんです」。国士館で通算30年近くチームを率いてきた永田監督は、この進言に「条件付きでOK」を出した。

「わかった。秋の大会で勝ったら、そうしよう」。そんなニンジン効果もあってか、チームは帝京など強豪ひしめく東京大会を制し、秋の王者となった。2年連続で選抜切符を掴んだ古豪は強さを取り戻す一方で、新風を吹き込んで聖地に戻ってきた。

 OBなどが多い伝統校ほど、部外者には分からない当事者ゆえの決断の難しさがあるのも確かだ。優勝したら脱丸刈り容認――。古豪復活を成し遂げ〝革命〟を起こした国士館ナインは、垢ぬけた姿で校歌を斉唱した。