【甲子園交流試合】今大会一番のプレッシャーは「コロナ1号になりたくない」 選手は目に見えない敵との戦いも強いられる

2020年08月14日 11時00分

試合前のベンチも徹底的に消毒

 新型コロナ禍の中で開催中の「2020年甲子園交流試合」は12日で前半戦を終えた。中止となった今春のセンバツ選出校の救済措置ながら、様々な制約の中で球児たちは聖地を謳歌し、熱戦を繰り広げている。舞台裏の苦闘と合わせて、異例ずくめの聖地の夏を深掘りしてみた。

 参加各校は対戦相手より「外敵」に神経をすり減らしている。交流試合は前半戦を無事に終えたが、これから後半戦を迎える大会の舞台裏では感染防止を巡り、ピリピリムードに包まれている。

 後半戦の参加校でコーチを務める人物は「一人ひとりの各部員や関係者が新型コロナに感染しないように、また相手にうつさないよう心がけるのは当たり前の話」と前置きし、こう続けた。

「非常に言いにくいんですが、今大会に参加する上で何が一番プレッシャーかと聞かれれば『大会コロナ1号』にならないように努めることです。万が一、1人でも感染者が出たら、大会は中止へと追い込まれる可能性が高い。そうなれば、ネット上を中心に『お前たちのせいで中止になった』とバッシングされることも考えられる。ウチも学校側から『それだけは避けてほしい』と念押しされています」

 大会参加校の中では花咲徳栄(埼玉)や県岐阜商(岐阜)で校内感染が確認されたが、どちらも野球部員や関係者から陽性者は1人も出ておらず濃厚接触者も認定されなかった。両校は滞りなく大会に参加できたが、参加校は「大会コロナ1号の呪縛」から完全に解放されたわけではない。

「これはどこの学校にも言える話ですが、仮に大会終了後から一定期間中に部の中で感染者が出てしまったら、さかのぼっての調査で大会関係者や対戦相手にも迷惑をかけかねない。多くの学校が過剰に警戒するのは仕方がない流れです」(前出のコーチ)

 大会関係者からは「グラウンドの戦いに集中できず感染防止に気を配り過ぎるあまり、全てに対して疑心暗鬼になっている球児もいるぐらい。こんな気の毒で不条理な大会は最初で最後にしてほしい」との声も出ている。新型コロナの終息と球児たちの“本物の笑顔”が戻る日を願いながら、選手や関係者は前例のない今大会で、日々見えない敵との戦いを強いられている。