「機動破壊」健大高崎に異変 盗塁が激減

2019年11月22日 16時30分

 第50回明治神宮大会で準優勝に終わった健大高崎(群馬)に“異変”が起きている。

 積極的な走塁から「機動破壊」の異名を取る同校だが、決勝の中京大中京(愛知)戦の盗塁数は1で、準決勝の白樺学園(北海道)戦は3。明豊(大分)戦が2盗塁、倉敷商(岡山)戦も3盗塁と、2014年の夏の甲子園大会では4試合で26盗塁という驚異的な盗塁数を誇った当時からは激減している。

 いったい何が起きているのか。今年3月、走塁を指導していたコーチ2人が相次いで退任。普段の練習から走塁練習の割合が大幅に減り、今ではグリーンライトで、おのおのの判断でスタートを切っているという。今回は群馬3位から関東を勝ち上がり、下克上で神宮初出場を果たしたとはいえ、今夏は地方大会初戦で0盗塁のまま散るなど弱体化の声も上がっている。

 だが、実はこれも作戦のうちだという。

 ある選手は「『機動破壊』の真の目的はセオリー破壊なんです。ここでは仕掛けてこないだろうというところで仕掛ける。定石の裏をかいて相手をかく乱する。その意識を植え付けるためにスローガンとして掲げてきたけど、今はうちの戦略がすっかり定着した。それなら逆に、ここぞの場面以外は仕掛けない。あえて封印してるんです」と語る。

 コーチが去ったことで走塁の極意が失われる心配もあるが「うちはもともと、そういうことが起こらないように技術や理論をマニュアル化したノートがある。門外不出の秘伝の書です」(別のナイン)と後輩への継承もバッチリだとか。

「脱・機動破壊」を図りつつ、やはり健大高崎の“足”は健在のようだ。