大船渡・佐々木がプロ志望届 17日運命のドラフトへ日本ハムと両想い

2019年10月03日 16時30分

ファイティングポーズの佐々木。心はすでにプロのマウンドだ

 今秋ドラフトの目玉、大船渡・佐々木朗希投手(3年)が2日、プロ志望届を提出し会見に臨んだ。注目の163キロ右腕は改めて「12球団どこでも頑張りたい。今はメジャーについては考えていないのでまずは日本で頑張りたいと思います」と、NPB入りを表明した。逆指名権がない以上「12球団どこへでも」と言うしかないが、佐々木サイドにも、もちろん交渉権獲得を願う意中球団がある。17日のドラフト会議から目が離せない。

 普段のユニホーム姿とは違う学生服姿で計79人の報道陣の前に立った佐々木は「今日の午前中にプロ志望届を受理していただいたことをご報告します。レベルの高いところでプレーしたいと思い志望届を出させていただいた。子供たちに夢と希望を与えられるような選手になりたい」と少し緊張した面持ちでNPB入りを表明した。

 その上で「12球団どこでも頑張りたい。(メジャーは)考えていませんでした。今はメジャーについては考えられないので、まずは日本で頑張りたいと思います」と12球団OKの姿勢を打ち出した。

 しかし、これは社交辞令のようなもの。当然ながら佐々木サイドにも入団を望む意中球団はある。その一つは、すでに6月2日の段階で12球団の先頭を切ってドラフト1位指名を表明している日本ハムだ。

 この段階で日本ハム・吉村浩GMは「間違いなく1位で指名します。志望届を出す前提だけど、評価としては比較検討にならない。他の候補へのリスペクトはあるけど(能力が)圧倒的すぎる」と佐々木をべた褒め。同じ岩手出身で球団OBの大谷翔平との同時期比較で「ピッチャーとしてだったら佐々木君の方が上かもしれない。そのぐらいの評価をしている」と話していた。

 実はこの宣言日からさかのぼること約3週間前の5月10日、吉村GMは大渕隆スカウト部長、白井康勝スカウトを伴って大船渡高を訪問。グラウンドで練習中だった佐々木のブルペン投球を視察後、同校野球部の監督室で国保監督に今秋ドラフトで佐々木の1位指名を伝えた上、球団としての育成方針などを説明しているという。

 他球団を出し抜く、あまりにも電撃的な日本ハムの“速攻”だったが、現段階であの大谷をしのぐ才能とも称される佐々木を預かる国保監督にとっても、日本ハムが交渉権を獲得してくれれば願ったりかなったり。国保監督自身、米独立リーグでのプレー経験があり、現時点ではメジャーに全く関心のない佐々木を将来的にその方向付けをさせるためには、ダルビッシュ、大谷らの育成と早い段階でのポスティング移籍で実績のある日本ハムなら文句はないからだ。

 さらに日本ハムには、国保監督の出身・筑波大との良好な関係もある。筑波大は今年4月に行った佐々木の骨密度検査、物議を醸した7月の岩手県大会決勝での登板回避問題の判断にも影響を与えており、都内で行われたU18W杯前の合宿合流直前、8月16日から佐々木は2泊3日の日程で国保監督とともに筑波大野球部の練習にも参加している。そこで筑波大側は佐々木のピッチングフォームをもとに詳細な動作解析を行ってもいる。これまで蓄積してきた佐々木のデータを、プロ入り後も活用していきたい意向が筑波大側、国保監督サイドにはあり、日本ハムならその「筑波方式」をスムーズに踏襲できる。また、日本ハムは佐々木が4月に骨密度検査を行った都内スポーツクリニックとも、東大出身左腕・宮台がかかりつけだった関係で懇意。そうした面でも国保監督には安心感を与えている。

 会見で北海道メディアから日本ハムの印象を聞かれた佐々木は「(6月の1位指名宣言は)率直にうれしかった。とても若い選手が多く、すごくいいチームだと思っています」と相思相愛のメッセージを送った。果たして意中の球団に引き当ててもらうことはできるか。