星稜・奥川&山瀬 周囲が望むバッテリーでの巨人入り

2019年09月30日 16時30分

今夏の甲子園で話題を独占した奥川(左)と山瀬の星稜バッテリー

「いきいき茨城ゆめ国体2019」高校野球(硬式の部)は29日、ノーブルホームスタジアム水戸で1回戦4試合が行われ、今夏の甲子園で延長14回タイブレークの激闘を演じた星稜(石川)と智弁和歌山(和歌山)が再戦。3―1で智弁和歌山がリベンジを果たした。今秋ドラフトの目玉、星稜・奥川恭伸投手(3年)は4回途中6安打2失点で降板。試合後に女房役・山瀬慎之助捕手(3年)と揃ってプロ志望届の提出を明言したが、周囲はバッテリーの巨人入りを熱望している。

 澄み渡った秋晴れの空のように、晴れ晴れとした表情で高校最後の試合を終えた。両校の申し合わせで木製バットで臨んだ一戦。奥川は3回に死球で走者を背負うと、智弁和歌山の猛打を浴び2失点。4回に二死から安打を許した場面で交代となり、仲間と最後の円陣を組んだあとマウンドを降りた。

「楽しかったです。(失点は)練習不足。金属だともっとやられていたんじゃないかな」と奥川。「本当にいい仲間と巡り合えて、楽しい3年間を過ごせた。もちろん勝ちたかったですし、悔しい思いもある。その悔しさを持って次のステージに向かっていきたい」と話し「プロ志望届を出すことに決めました」と決意を語った。

 続けて「星稜のスタッフと両親とも話し合って、最後は自分の意思で挑戦したいと決めました。今までとは違って、それが仕事になる。これからそれなりの覚悟を持って残りの時間を過ごしていきたい」と話した。

 また、バッテリーを組む山瀬もこの日プロ志望を表明。「奥川どうこうではなく、僕個人での戦いになる。奥川は一軍で投げると思うので、自分もその舞台に行けるように頑張っていきたい」と話したが、周囲からは奥川、山瀬の巨人入りを望む声が上がっている。

 星稜の関係者は「ウチといえばやっぱり松井。奥川にも松井と同じく、球界の盟主の下でスター街道を歩んでほしい。巨人には親戚の高木もいるしね」と巨人OBの松井秀喜氏さながらに、プロでのキャリアを積んでほしい考えだ。

 また、山瀬についても「お父さんが大の巨人ファンで、慎之助という名前も阿部慎之助さんにあやかってつけられたもの。レジェンドが引退する今、いずれは阿部監督の下で『ポスト阿部』として育ててもらえたら本望でしょう」と話し「小学校からバッテリーで、奥川は当初別の高校に行く予定だったのが、寮生活の不安から山瀬と同じ星稜を選んだ過去がある。2人とも口では仲良くないふりをしていますが、明らかな照れ隠し。人見知りで内気なところのある奥川には、頼りがいのある山瀬がついていないと」と、奥川のためにも同じ球団にとの思いを明かす。

 巨人にバッテリーごと入団した例では、過去には川上哲治―吉原正喜(熊本工)、最近では内海哲也―李景一(敦賀気比、内海はオリックスの1位指名を拒否して東京ガスから巨人入り)などの例がある。球界の盟主の下で準Vバッテリーが再びタッグを組む日は来るのか。運命のドラフトは17日に迫っている。

 この日の一戦では星稜、智弁和歌山の両校たっての希望から、通常の金属バットではなく木製バットを使用して試合が行われた。智弁和歌山・中谷監督が対戦が決まった直後に星稜・林監督に申し入れ、異例の対決が実現。中谷監督は「3年生はみんな卒業しても次のステップで野球を続ける。全国大会で課題を探すという目的があった」と意図を説明した。奥川も「打つほうが楽しかった。両チームともけっこう当てにいくのかなと思ったら意外と打たれたので、木製っていいなと思った」と話すなど、選手からも木製での対戦を楽しむ声が聞かれた。

 他の試合は通常通り金属バットが使用されたが、仙台育英の須江監督は「大賛成だと思いますよ。ウチは1、2年生が東北大会を控えているので調子が狂うのが気になるけど、木製はモチベーションになりますし、ヒットを出していくことの難しさを感じられる。中谷監督に提案されたら? どうですかね、やっちゃうかもしれません」と話した。