【U18W杯】5位惨敗のU18侍に古田監督待望論

2019年09月09日 16時30分

古田氏の出番はあるのか

【韓国・機張発】「第29回WBSC U18ベースボールワールドカップ」高校日本代表は7日のオーストラリア戦に1―4で敗れ、総合順位5位で終戦。試合のなかった8日は釜山市内を観光し、表彰選手以外は閉会式に参加することなく全日程を終えた。惨敗ともいうべき今大会の敗因は何だったのか。選手選考や首脳陣への不信感、木製バットへの対応など、チーム内外からは厳しい意見が噴出しており、代表監督として古田敦也氏(54)の待望論まで飛び交っている。

 決勝戦はおろか、3位決定戦進出も立ち消えとなった7日から一夜明け、宿舎前で取材に応じた永田監督は「昨日敗れて悔しいのひと言。一試合一試合必死でした。日の丸に対するプレッシャーを緩和できなかった私の責任。選手たちは本当によく頑張ってくれた」と敗戦の弁を述べた。

 他国の野球から学んだことについて問われると「日本には日本のスタイルがありますので。マナーを重視しています」とちぐはぐな回答で質問をかわし、敗退の原因や今後検討すべき課題については「それはまた、総括した段階で考えていきたい。今どうのこうのではない」と明言を避けた。

 1試合1イニング、わずか19球のみの登板に終わった佐々木朗希投手(大船渡=3年)は「やっぱり世界の壁は本当に厚くて、そのなかで戦えたことはよかった。自分の力のなさを感じましたし、本当にいろんな経験ができた。もしまたそういう(日の丸を背負う)機会があったら、本当に出て活躍して、世界一を取れるように」と話した。

 指揮官は最後まで多くを語らなかったが、日本の敗因は何だったのか。遊撃を本職とする左打ちの内野手6人を招集するなど、当初から偏った編成が不安視された今大会では、8試合で9失策と日本の持ち味だった守備が崩壊した。

 記録に残らない細かいミスも多数見られた。仲井ヘッドコーチは「負けには必ず原因がある。人選からコンディショニング、日の丸の重圧が想像以上に大きかった」と選考段階での問題点を認め、選考委員の一人であり最終的な決定権を持つはずの永田監督が「僕は(選考を)主導するただの一員ですので。僕が選んだらまた違ったかも…。やめときましょう、言い訳になりますので」とぶぜんとした態度で口を滑らせる場面もあった。

 世界一を目指し一丸となるべき選手と首脳陣の信頼関係に、大きな隔たりも生まれた。大会を通じて一部選手に偏った起用に、ナインの間からは不信の声が続出。期間中、選手からは「監督の采配の意図がまったくわからない」「僕らは何のために呼ばれたんですかね」と采配を疑問視する声が複数上がり「こんなことなら早く日本に帰りたいです」と漏らす選手もいるなど、ナインの士気にも少なからず影響を与えた。

 8試合中6試合が1桁安打、3試合が3安打以下と、一部選手を除き依然として木製バットへの対応にも苦慮。長年の課題もあらためて浮き彫りになった格好だ。

 山積みの問題点を今後どう改善していけばいいのか。チーム帯同のあるスタッフは「今大会は打つ方だけでなく守備の面でも、木製と金属の球足の違いからミスにつながる場面が多かった。バットに関しては低反発の金属やカーボン製の導入など、メーカー側とも協議して見直していくべきタイミングでは」と早急な改革を訴える。

 また、首脳陣の人選についても「そもそも、木製仕様の大会に金属での指導経験しかない高校野球の指導者で臨むのもどうなのか。U12やU15のように、元プロから指導者を募ったほうが木製バットの指導には適している。知名度のあるプロ野球OBが監督を務めれば選手も素直に話を聞くでしょうし、結果的にチームの士気も上がるのでは」(前出のスタッフ)と、学生野球の指導者資格を回復した大物プロ野球OBを招聘する案も浮上している。

 その場合、真っ先に候補として待望論がささやかれているのが「熱闘甲子園」(テレビ朝日系)のキャスターを務める、元ヤクルト監督の古田敦也氏。現日本ハム監督・栗山英樹氏(58)も、その去就によっては動向が注目されている。

 また、別のチーム関係者からは「指揮系統に問題があるなら、いっそのこと甲子園優勝チームに各校から有力投手を補強し、優勝校の監督の指揮の下で大会に臨むのもひとつの手。かつての優勝のご褒美的位置づけだった時代に逆戻りではありますが、新チームの指導を理由に代表を引き受けたがらない、若く優秀な現役監督を引っ張ってくる口実にはなります」と“時代逆行”の打開策すらあがるほど、この数年、日本野球の威信にとって危機的な状況が続いている。

 日本が悲願に掲げる世界一が、はるか遠い道のりであることを思い知らされた今回のU18。高野連には来年2月の新監督選出をはじめ、本腰を入れた改革が求められる。