【U18W杯】18Kエース奥川の絶大信頼度 まだ登板がない佐々木起用の最適解は?

2019年09月06日 13時00分

21アウト中、背番号と同じ18奪三振と圧巻のピッチングを披露した奥川

【韓国・機張発】「第29回WBSC U18ベースボールワールドカップ」高校日本代表は5日、ヒュンダイドリームボールパークで行われたカナダ戦に5―1で勝利。今大会初登板となった先発・奥川恭伸(星稜=3年)が7回2安打1失点18奪三振無四球と圧巻の投球で、強豪カナダを下した。一方、先発も予想されたもう一人のエース・佐々木朗希(大船渡=3年)はブルペン待機。怪物の起用法に首脳陣は頭を悩ませている。

 ついに真打ちの登場だ。奥川は立ち上がりから直球を主体にした隙のない投球で、強打者の並ぶカナダ打線から三振の山を築いた。

 4回、4番・ディオダティに一発を浴びるも、許した失点はこの1点のみ。90球で6回を終えた直後のブルペンで「(球数制限まで)あと14球か。14球で終わるかな」とつぶやくと、その言葉通りに7回のマウンドを13球でシャットアウト。最後は三球三振でこの日18個目の三振を奪い、球数制限の105球を下回る103球で2番手飯塚(習志野=3年)にバトンをつないだ。

「絶対に抑えないといけないプレッシャーを感じたし、みんながつないでくれたので、最後までしっかり投げようと思った。104球で行けるところまで行こうと。中途半端な状態で(マウンドを)渡したくないと思った」(奥川)

 一発を浴びた場面については「選んだ球も投げたコースも中途半端だった。こういうところが致命傷になってくる。今日は今日で切り替えて、このくらいで満足したくない」と話し、18個もの三振を積み上げながら、代名詞の笑顔をのぞかせることなく淡々と話した。

 一方でいまだ登板のないもう一人のエース、佐々木はこの日もブルペン待機。地元・岩手から観戦に訪れた母・陽子さん、大船渡の国保監督が見守る中100球以上を投げ込んだが、7回に点差が開くとブルペンを離れアイシングを行った。

 一部ではこの日の先発もささやかれたが、永田監督は「他のピッチャーも含めて、まず奥川で行こうかと。(佐々木が投げる可能性は)頭の中ではいろいろうごめいてました。ただ、飯塚がいたので。佐々木はなかなか…。あまり無理させたくないというのがあった」と話した。

 平川投手コーチは「負けられないという状況の中で、先発は(佐々木と奥川の)どっちがいいかを監督が判断した。(佐々木は)リリーフでは行く予定だったが、点差が開いたので。2―1で勝ちきるためには朗希だった」と指揮官に代わってオーダーの意図を説明。佐々木の起用法については「今日は後ろで考えていたけど、いろいろありますから。先発はもちろん、ワンポイントというのも…」と思案をめぐらせている。

 佐々木はこれまで大舞台での経験に乏しく、右手中指の血マメも癒えたばかり。永田監督が「無理をさせたくない」と口にしたように長いイニングを計算しづらい投手。とはいえ一度も登板させないというわけにもいかず、首脳陣は難しい判断を迫られている。一方の奥川が安定感抜群の投球で期待に応えたこともあり、チーム内には「日本のエースは奥川」という認識も生まれつつある。

 実際、この日のカナダ戦の先発投手は中2日、6日の韓国戦の先発投手は中1日で8日の決勝に臨むことになる。逆算するとこの日の先発投手が決勝の先発を任される公算が大で、その選択が佐々木ではなく奥川だったということだ。

 日本代表の“ジョーカー”とされながら、なかなか登板機会がめぐってこない怪物。残るは3試合、どんな場面でマウンドを託されるのか、指揮官の選択やいかに。