U18W杯(30日開幕、韓国・機張)で初の世界一を目指す高校日本代表は「令和の怪物」中心の投手編成がカギを握りそうだ。26日の大学日本代表との壮行試合を前に東京都内で結団式に臨んだ永田監督は「明日の先発は佐々木朗希(大船渡=3年)。昨日、練習試合をして、スタッフとも相談した中で、佐々木でいこうとなりました」と明言した。相手先発は明大・森下暢仁投手(4年)でドラフト1位候補対決が実現する。

 佐々木は引き締まった表情で「先発に選んでいただいて光栄に思いますし、チームの流れを持ってこれるような、世界大会につながるようなピッチングができればいい」ときっぱり。本番前最後の実戦への覚悟をにじませた。

 24日の駒大戦では抑えとして1イニングを15球で無失点。そのまま本大会でも守護神として起用されることも予想された中での先発発表だった。球数や投球回を考慮しながらの起用にはなるが、永田監督は「本人が昨日の段階で『いける』ということだったので。あとは(同行する整形外科医によるヒジ、肩の)診断を受けた上で決めました」と佐々木先発を決断した経緯について触れた。

 一方で、先の甲子園大会の準V右腕である星稜・奥川恭伸投手(3年)の扱いには慎重を期している。この日の練習から合流した奥川は甲子園で計512球を投じた疲労を考慮してノースロー。永田監督は「奥川の場合は体と相談です。無理をさせるつもりはない。まだキャッチボールもしていないし、この2、3日はしっかり下半身をつくろうと。(起用法も)本人には伝えていません」と本大会での役目は全くの白紙だ。

 過去の例を見ても、甲子園決勝まで投げ抜いた作新学院・今井達也(現西武)、金足農・吉田輝星(現日本ハム)がU18では大きな活躍ができていない。佐々木、奥川の二枚看板が期待されているが、悲願の世界一は岩手大会準決勝から約1か月間登板のないフレッシュな佐々木の右腕にかかっている。