「第29回WBSC U―18ベースボールワールドカップ」(30日~9月8日=韓国・機張)に出場する高校日本代表の合宿が22日、東京都内で始まった。同日に行われた夏の甲子園決勝に出場した星稜の奥川恭伸投手、山瀬慎之助捕手(ともに3年)を除く18選手が参加。練習前には全選手の前で永田裕治監督(前報徳学園監督)が「熱い気持ちをもって、日の丸の重みをもってしっかりやってくれ」とゲキを飛ばした。

 注目はやはり最速163キロの大船渡・佐々木朗希投手(3年)だ。7月末の岩手大会決勝から約1か月。この日は他の選手と一緒にランニング、キャッチボールなどを行い、ブルペンでも22球を投じ「自分のペースでやりたいこととか必要なことがあったので、それを重点的にやりました」。23日から始まる練習試合に向けて「短いイニングでもいいので、打者相手に投げたいです」と意欲をのぞかせた。

 佐々木は高校生離れした投球ばかりでなく、今大会では外野手としても期待を寄せられている。というのも、外野手として選出されたのが鵜沼魁斗(東海大相模)と横山陽樹(作新学院)の2年生2人だけだからだ。この日は佐々木も他の投手に交じって中堅での外野ノックを受けた。永田監督も「(選手の)適性を見ていきます」と言い、各選手の動きを真剣な表情でチェックしていた。

 佐々木は「外野は他の人の方がうまいと思うので投手で頑張ります」と控えめながら、今年の岩手大会4回戦(対盛岡四)では延長12回を一人で投げ抜いた上に4番打者として決勝2ランも放つなど、打者としての能力も高い。これまで日本は同大会で一度も優勝していないが、163キロ右腕も「自分たちが初めて世界一になれるよう頑張りたいです」と気合十分だ。