第101回全国高校野球選手権大会、第10日の第4試合、八戸学院光星(青森)が大熱戦を制した。第4試合で海星(長崎)に7―6でサヨナラ勝ち。2014年夏以来となる8強入りを決めた。

 6―6で迎えた9回一死満塁から、6番・下山(3年)が中前打を放って試合を決めた。仲井監督は「うれしいのひと言に尽きます。(リードしていた)6対3の時点でも(選手たちに)まだもつれると言っていた」と安堵の表情を浮かべながら振り返った。6回に3点差を追いつかれたものの、最後まで集中力を切らさず劇的勝利。強力打線は相変わらずで、今大会は3試合で43安打26得点と打ちまくっている。そんな選手たちを後押ししたのが、仲井監督の“粋な計らい”だった。

 6日の1回戦で誉(愛知)に9―0で勝ち、昼過ぎに宿舎に戻った時のこと。仲井監督が選手たちを集めて、こう言った。

「今日は外で好きなものを食べて来ていいぞ!」

 普段の寮生活では基本的に外出禁止となっており、その禁が大会期間中に解かれるケースは極めて珍しい。狂喜乱舞した選手たちは宿舎近隣のマクドナルドやスターバックス、いきなりステーキ、スシローなどへ“分散”し、ちょっぴり遅めの屋外ランチに舌鼓を打ったという。

 選手によれば「普段は行けない店ばかりで何を注文したらいいのか、最初は分からなかった。あまりにもおいしくて思わず“ハシゴ”したメンバーもいたぐらいです」。

 小浜コーチも「まず監督がメリハリを結構気にする人なので。そういう部分ではオンとオフ(の使い分け)はやっています。今回は開幕戦ということもありましたしね」と打ち明けた。

 U―18侍ジャパンでもヘッドコーチを務める仲井監督の“選手操縦術”は「さすが」のひと言だ。