【夏の甲子園】笑ってはいけない「八戸学院光星版」が呼んだ劇勝

2019年08月13日 16時30分

バックスクリーン右へ豪快アーチを放り込む武岡

 第101回全国高校野球選手権大会の第7日(12日)第3試合で八戸学院光星(青森)が智弁学園(奈良)を10―8で下し、3回戦進出。一時は6点差を逆転されたものの、8回に追いつき、9回に勝ち越した。試合後の仲井監督は「勝ててよかった。中盤からは互角。死力を尽くしての戦いだった」と胸をなで下ろした。

 プロ注目の遊撃手で「坂本2世」武岡龍世(3年)も1番で先発出場した。3回にバックスクリーン右に飛び込むソロ本塁打を放つなど6打数2安打をマーク。18安打2桁得点を奪った打線の原動力となった。頼もしきチームの主将は「(本塁打は)真ん中低めの真っすぐで狙い通り。前の回に失策(2回の守備で打球をファンブル)していたので次は打たなきゃいけないと思った」と白い歯をのぞかせた。

 主力として3季連続の甲子園出場。6日の初戦から11打数5安打で打率も4割5分5厘とし、パンチ力のあるリードオフマンはここまで十二分に存在感を見せている。この日は珍しく失策を記録したものの、堅実な遊撃守備は各球団スカウトの評価も高い。同校OB・坂本勇(巨人)の高校時代をほうふつさせる動きは魅力だ。

 野球に対してはストイックな姿勢を貫くが、素顔はちゃめっ気たっぷり。寮生活では昨オフシーズン、正捕手の太山皓仁(3年)と大野僚磨(3年)、後藤丈海(3年)の3人とともに「笑ってはいけない部屋」を不定期で“開催”した。太山の部屋に集まって誰からともなく「そろそろやるか」の合図でスタートし、お互いにギャグを披露し合いながら必死になって笑いをこらえていたという。

 いわば毎年大みそかに日本テレビ系列で放送されている「笑ってはいけないシリーズ」の“八戸学院光星版”だ。笑ってしまったら空のペットボトルで頭をポカッと叩かれる罰ゲームが待っている。「自分たちはシーズン中、ずっと野球漬けなのでこうやってリラックスする時間が必要」と大野が笑いながら説明する。

 武岡自身も「自分が暗くなるといいムードがつくれない。だから普段から笑うようにしている」。硬軟を巧みに使い分ける堅守好打の「坂本2世」が聖地を席巻しそうだ。