花巻東が初戦敗退 様々なプレッシャーで“金縛り”

2019年08月10日 13時00分

初戦敗退となった花巻東ナイン

【夏の甲子園】第101回全国高校野球選手権大会、第4日(9日)の第1試合は、花巻東(岩手)が鳴門(徳島)に4―10で敗れ、甲子園で2年連続の初戦敗退を喫した。

 初回、先発の中森(3年)が立ち上がりに制球を乱し3失点。3回にプロ注目のエース・西舘(3年)を投入したが、悪い流れを止められず追加点を許した。中盤、終盤にも失点を重ね、本来の力を発揮できないまま聖地を去った。

 花巻東・佐々木監督は「力の差ではなく四死球が大きく響いてしまった。岩手県のレベ
ルが高い中で出させてもらったので、良い報告をしたかった」と敗戦の弁。5回2/3を6安打5四死球6失点と精彩を欠いた西舘は「バランスが悪く、思うように投げられなかった。申し訳ないです」と唇をかんだ。

 エースの制球難から自分たちの野球ができなかった格好の花巻東だが、舞台裏では人知れず“もうひとつの敵”とも戦っていた。甲子園出場を決めた岩手大会決勝では、佐々木朗希投手(3年)を欠いた状態の大船渡に勝利。想定していた怪物右腕との対戦がなかったことで、決勝戦後は複数のナインが「勝てたのはうれしいんですが、一方で正直複雑な気持ちもあります」と語っていた。

 時間がたつにつれ“佐々木を打ち崩したわけではない”という事実はある種の負い目という形でチームに影を落とした。

 主力ナインの一人は「正直、いろいろなプレッシャーがありました。東北勢初の優勝への期待や、髪を伸ばした(脱丸刈りで臨んだ)ことで結果を出さなきゃという思いもありましたし、佐々木くんから打てたわけではないというのも心のどこかにあった。これでは県大会で勝った意味がない。悔しさしかないです」と肩を落とした。

 決勝戦を出場回避した佐々木を含め、様々なものを背負う中でがんじがらめになってしまったというわけだ。

「佐々木くんと戦って、岩手の代表として強さを全国で示したかった。いつもの野球ができなかった」と西舘。超高校級の怪物とすれ違ってしまった不運なひと夏が幕を閉じた。