【高校野球】立命館宇治 吹奏楽部との「約束」果たした

2019年08月07日 20時30分

9回、秋田中央・斎藤光の打球を腹で受ける立命館宇治・高木要

 立命館宇治(京都)が悲願の甲子園初勝利を挙げた。第101回全国高校野球選手権大会第2日(7日)、第4試合で秋田中央(秋田)に1―0で競り勝った。エース左腕の高木要(3年)が、7回に相手失策から得た虎の子の1点を守り切り3安打完封。37年ぶり3度目の出場で、ようやく果たした初戦突破は文字通り「全員一丸」のたまものだった。絶対に負けられない約束がナインを後押ししていた。

「今日は、あの悲しい出来事があった地元に、自分たちが勝つことで少しでもいい知らせを届けたかった。勝ったことで吹奏楽部の皆も次の試合でスタンドに来ることができます」(主力選手)

 7月18日に京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ)で放火殺人事件が発生。未曽有の惨事に心を痛めた地域住民からの要望を受け、同校の吹奏楽部が京アニ制作の「響け!ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」を甲子園のグラウンドに立つ野球部の応援曲に採用することを決定していた。だが、この日の初戦は京都府吹奏楽コンクールの日程と重なったため来場できず、2回戦以降からの応援となっていた。

 もし初戦で負けてしまったら、そのプランも実現しないままだったが、チームの面々は吹奏楽部に「絶対に勝つからな!」と固い約束を誓って見事に実現させた。

 同校野球部顧問・西田透氏も言葉を選びながら、こう話した。

「今日は何か見えない力、皆さんの支えがあって勝たせてもらったんじゃないかな、というのが正直なところですね。あのようなすごくつらい事件が地元で起こったことを、部員たちもちょうど(府大会の)4回戦の帰りのバスの中で知ったのです。こうやって京都府の代表として、このように甲子園で(初勝利を)一つ挙げられたということが、ご遺族の方にこれで“何か”ということではないかもしれないですが、それ(いいニュース)として感じていただけるのであれば…。グラウンドで(戦う勇気を)表現してくれた部員たちを誇りに思います」

 2回戦は第8日(13日)の第2試合で優勝候補・星稜(石川)と対戦する。当日は京アニソングをバックに、再び全員一丸となって強敵に立ち向かう。