甲子園球児に“佐々木問題”緊急アンケート「自分なら投げた?投げなかった?」

2019年08月06日 11時00分

喜ぶ花巻東ナインをベンチから見つめる佐々木(右)

 令和で初めての甲子園大会、第101回全国高校野球選手権大会が6日にいよいよ開幕する。そんななか球児たちの間で大きな話題となっているのが、岩手大会決勝で敗退した“令和の怪物”佐々木朗希投手(大船渡=3年)の出場回避をめぐる一連の騒動だ。自身の野球人生とチームの甲子園出場をてんびんにかけたとき、現役球児はどんな選択を取るのか。本紙は出場校の選手らに緊急アンケートを実施した。

「この先の野球人生を棒に振ってでも、甲子園に出たいと思うか」。各校のエースを直撃すると、多種多様な“球児の本音”が聞こえてきた。九州地区のある代表校のエースは「あそこで投げなかったら、自分は絶対に悔いが残る。自分の体がダメになろうとも、『1番』を背負っているピッチャーとして投げたと思う。ずっと一緒にやってきた仲間のこともある。佐々木くんは泣きついてでも、監督に『投げさせてくれ』と言うべきだった」とキッパリ。別の強豪校の投手も「投げて負けるなら力不足ですが、投げずに終わるのは世間も納得しないでしょう。甲子園で投げる姿を見てみたかったし、対戦したかった。残念です」と怪物右腕の予選敗退を惜しんだ。

「自分なら投げた」という声が多数を占めた一方で、大船渡と同じ公立校のある投手は「正直なところ、プロに進める選手かどうかが判断の分かれ目になると思う。僕みたいに野球は高校限りという立場だったらたとえ壊れてでも投げますけど、仮に僕が佐々木くんくらいの才能に恵まれていたらきっと投げてません。この先、野球で生きていくなら自分の体が大事だし、その選択自体は責められることではないと思う」と複雑な表情で話した。

 また、複数投手制で勝ち上がってきたある高校の投手からは「そもそも佐々木くんと監督の意思疎通があまり図れていないように感じました。うちは事前に監督さんと選手で話し合ってオーダーを決めているので自分の立場だったら直訴するけど、監督の言うことは絶対という学校も多いじゃないですか。佐々木くんは自分の気持ちを伝えたのか、伝えられるような関係にあったんですかね? 選手全員が納得した上での判断ならそれでもいいのかもしれませんが…」と指導者と選手の関係を疑問視する声も。実際「うちでは監督に意見するなんてとてもじゃないけどできない。監督は目の前の1勝だけじゃなくその先のことまで考えて采配してるので、たとえその場では納得できなくても、言われたことに従うのが選手の役目」という意見も多く聞かれた。

 野手陣の意見も様々だ。ある強豪校の主軸打者は「打者が助けてあげるべきだったと思う。エースが投げられなくても勝てるくらいに個々が力をつける、それが本当のチーム力」と言うが、一方で同チームの別のナインは「野手としてはやっぱり最後はエースに投げてほしい。負けるならチームとしても全力を尽くしてでないと悔いが残る」と本音も漏らす。

 さらに、話題は野球評論家・張本勲氏の「ケガが怖かったら、スポーツはやめた方がいい」という「喝!」に、カブスのダルビッシュ有投手がSNS上で猛反発するなど“場外乱闘”を繰り広げていることにも及び「お二人ともそれぞれの立場があるんでしょうが、張本さんの考えは時代遅れ。選手として本心では出たいと思っていても、大人の人からああやって一方的に言われるのはまた別。僕は投げたい派ですけど、あの件に関してはダルビッシュさんを支持します」という指摘まで。甲子園球児たちも今回の一件には大きな関心を寄せている。

 印象的だったのは「チーム内でもすごく話題になってて、毎日みんなで話してるんです。でも『これでよかった』とか『今回の結果が最善策』という意見は出ていません」というある選手の言葉。結局、佐々木は投げるべきだったのか。答えの出ないまま、主役不在の夏が幕を開ける。