第101回全国高校野球選手権大会(6日から16日間)の優勝候補に上げられる強力打線の智弁和歌山(和歌山)がまさかのアクシデントに見舞われた。

 2日、チームは甲子園練習に向かうため、18人ずつバス2台で学校を出発したが、高速の阪和道の途中でベンチ入りメンバーの乗ったバスがパンクしてストップ。前輪が「バーン」という音とともにバーストし、高速道路の脇に緊急停車することになった。そのため、後続のメンバー外のバスが先の出口から地道を回って戻り、メンバーが乗り換えて再発進。なんとか40分遅れで甲子園練習に臨んだが、メンバー外の選手はレンタルバスを待つことになり、練習に参加ができなかった。

 高速道路上だけに一歩間違えば大事故になりかねない。もう1台のバスを待っている間、中谷仁監督は外に出て走行車両を必死に誘導していたという。「後ろから突っ込まれて選手に何かあったら大変。必死に誘導してました」(中谷監督)

 しかし、5季連続出場の強豪とあってナインはこんな時もあわてることはなかった。ある選手は「大きな音がして止まったけど、バスが揺れるようなことはなかった。バスは冷房が効いていたので僕らは車内でずっと待っていました。待っている間はDA PUMPの新曲をみんなで歌って盛り上がっていました。監督は外で大変だったと思いますけど…」と涼しい顔だ。ナインの中には「選抜準優勝したとき(2018年)にもバスのトラブルがあった。これはゲンがいいじゃないですか」という声もあったという。

 一人肝を冷やした? 中谷監督は「到着が遅れて選手が動揺しているかと思ったけど、落ち着いていました」と胸をなで下ろしたが、立ち往生を多くの車両に目撃され、SNS上では「智弁和歌山のバスが事故か!?」など、世間を心配させる情報が上げられることとなった。