【佐々木登板回避の是非】本紙評論家・得津高宏氏 「子供たちの夢を奪ったも同然」

2019年07月26日 16時30分

試合後、ベンチで花巻東の校歌を聞き、涙をこらえる佐々木(左から2人目)

「令和の怪物」こと大船渡の絶対エース、佐々木朗希投手(3年)を岩手県大会決勝(25日、岩手県営野球場)で"温存"するという国保陽平監督(32)の決断が賛否を呼んでいる。プロ球界関係者の見解は?

 元ロッテスカウトで本紙評論家の得津高宏氏は「スカウトの立場からしてみれば『無理をして壊れなくてよかった』と喜ぶべきことなんでしょうけど…」と前置きしながらこう続けた。

「甲子園を目指していた者としては、大きな違和感を覚えます。監督がプロのこととかを考えすぎて、ほかのメンバーのことを考えていない印象を受けます。チーム全体の目標は甲子園で、そもそも野球というのはチームスポーツ。甲子園のかかった大事な試合にエースを投げさせないだけでなく、4番打者を打席にも立たせないのはやりすぎではないか。高校で野球を辞める子もいるわけで、そういう子たちの夢を奪ったも同然です」

 そして「佐々木くんの将来を考えたとしても、これでよかったのかどうか…。あまりに大事にしすぎると、苦しいときに踏ん張れない、すぐにあきらめてしまう選手になってしまうかもしれない。投げられない状態だったのならまだしも、投げられる状態だったのなら、なおさらです。野球だけに限らず、批判を恐れて無理をさせないというのが、今のご時世です。『これが時代の流れ』といえばそれまでなのでしょうが、寂しさを感じますね」とも。

 パワハラを断固許さず、働き方改革を推し進めるなどの世間の流れが、高校野球の世界にも来ているということなのか。