第101回全国高校野球選手権岩手大会の決勝が25日、岩手県営野球場で行われ、大船渡が2―12で花巻東に敗戦。「令和の怪物」こと佐々木朗希投手(3年)は投手としても野手としても出場することのないまま、最後の夏が終わった。

 国保監督も批判や非難は覚悟の上での決断だったようだ。試合後、報道陣から矢継ぎ早に飛んだ佐々木の登板回避に関する質問に対応した。

 国保監督によると、佐々木本人が痛みなどを訴えていたわけではなく、登板機会を与えれば問題なく投げられた可能性はあったという。

 佐々木に登板回避を伝えたのは当日朝。「私は教員なので、彼が入学してからの行動とか、彼がどういう動きをするかというのは観察してきたつもり」という国保監督は様々な要素を勘案した。練習試合でも連投は経験していたが、大会とは疲労度も違う。登板間隔が詰まっていたことだけでなく、これまで曇り空などで気候的に投げやすかったのに対してこの日は最高気温30度以上の予報だったことも考慮したとのこと。

 佐々木は投手としてだけでなく、4番打者としても準決勝までの出場4試合で高校通算12号を含む3安打6打点とチームをけん引してきた。野手として出場させる手もあったが、国保監督は「守備があるとスローイングで100%投げてしまうかもしれず、それが怖かった。スイングもあったが、投げた次の日に力強いスイングができるかというと別問題なので」と二の足を踏んだ。

 4番を打つエースの出場回避で、甲子園が遠ざかることは十分に予想された。だが、国保監督は最後までその決定的な根拠を明かすことはなかった。