35年ぶりの甲子園出場を目指す大船渡の163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が21日、岩手県大会4回戦・盛岡四戦(岩手県営)に「4番・投手」で先発出場。2―2の延長12回、自ら値千金の決勝2ランを放ち、ベスト8進出を決めた。投手としては194球を投げて、最速160キロをマークし、21三振を奪った。

 延長12回表、ここまで170を超える球数を放り、マウンドを一人で守り抜いてきた佐々木。一方で、4番としてはノーヒットと力になれていなかった。しかし無死一塁から右方向への大飛球は大船渡応援席の大声援に乗って、そのままスタンドイン。ガッツポーズで一塁側ベンチに戻った佐々木はチームメートと抱き合って喜んだ。

 その裏、8回に自身公式戦初の「160キロ」をマークした佐々木は最後の力を振り絞り、3者連続三振。最後の打者から134キロのスライダーで21個目の三振を奪い、194球を投げ抜いて死闘を締めくくった。

 勝利の瞬間、ガッツポーズで喜びを表現したが、校歌斉唱の後に一塁側の応援席へあいさつに向かう時には号泣。苦しい試合を勝ち切り、高校最後の夏を終わらせなかった安堵感から、身長190センチの大エースは人目もはばからず大泣きした。