16日、平日にもかかわらず岩手・花巻球場に満員の観衆5700人を集めた大船渡・佐々木朗希投手(3年)の投球にはNPBからただ一球団、阪神の編成、スカウト勢3人がバックネット裏から目を光らせた。

 和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー(TA=56)は、初めて生で見た163キロ右腕の印象を「ピッチャーとしていろんなものを察知しながら投げている。変化球? それはもう一級品ですよ。コントロールもいい。あれだけ足を上げて、かつコントロールできるというのは間違いなく高いレベル。あれだけ足を上げて投げる投手もなかなか今はいないからね」と高評価。ストレートだけではない佐々木の変化球の精度、流れるようなしなやかなフォーム、そしてマウンドでの立ち居振る舞いを絶賛した。

 担当の葛西稔スカウト(52)は「(2回降板は)点差が開いたこともあるけど、本当は全部自分で投げたいと思って投げてるのかなと思って見ていた。もし順調にいけば20、21日は連戦だし、気温も高くなるだろうからちゃんとセーブしていたのかもしれない」とわずか19球の省エネ投球の意図を分析。その上で「だんだん勝ち上がってくると、力のあるチームが上がってくる。トップギアまではまだ下の方。まだ3つぐらいあるんじゃないの。今はセーブしながら。勝ち進んでいけば、ある程度のものは見られるんじゃないかと思う」と、18日の3回戦・一戸戦(花巻)以降も佐々木の投球を追い続けることを明言した。