大船渡・佐々木 甲子園の前に立ちはだかるもう一つの壁

2019年07月15日 20時10分

 悲願の甲子園出場を目指す「みちのくの163キロ右腕」大船渡・佐々木朗希投手(3年)が16日の2回戦、遠野緑峰戦(花巻球場)で岩手県大会初戦を迎える。

 春季県大会で1回戦負けを喫した大船渡はノーシード。悲願達成のためには16~24日のわずか9日間で6勝が必要になる。

 3戦目以降は5日間で4試合を勝ち抜かなければならない超タイトな日程だが、敵は日程面だけではない。大船渡の試合が行われる花巻、盛岡という岩手県内陸部の暑さとの戦いが、目に見えないもう一つの敵となって襲いかかってくる。

 大船渡に近い関係者は「沿岸部の生徒にとって内陸の暑さは難敵。夏でも『やませ』(東北の太平洋側で6~8月に吹く冷たく湿った東よりの風)の影響で、気温が25度前後と涼しい沿岸部の生徒は、まず30度を超える蒸し暑い内陸の暑さに耐性がない。それは長い岩手県代表の歴史が物語っている」と語る。

 その言葉通り、昨年の花巻東まで私学2強を中心に24年連続内陸部の高校が県大会を制している。沿岸部の高校が夏を制したのは、まれにみる冷夏だった1993年の久慈商が最後。84年のセンバツで大旋風を巻き起こして4強入りし、その夏にも甲子園出場を果たした大船渡は35年ぶりの悲願を怪物・佐々木の右肩に託している。

「公立校としても大船渡としても長い間(甲子園に)行けていないので、自分たちがその壁を乗り越えていきたい。何が何でも勝ちたい」と高校最後の夏にかける思いを語る佐々木。プロ12球団が注目するその投球の前に、いかに内陸の暑さ対策をしてトップコンディションを維持できるかが悲願成就へのカギを握りそうだ。