163キロ右腕の大船渡・佐々木朗希に岩手の強豪私学が包囲網

2019年05月20日 16時30分

18日の試合で右翼を守った佐々木

「令和の怪物」は聖地・甲子園の土を踏めるのか。163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)を擁する大船渡(岩手)は、18日に行われた春季岩手県大会で敗れ、夏の大会はノーシードとなった。今回、佐々木の登板を見送ったことが夏にどう影響するのか。同県の花巻東、盛岡大付ら甲子園常連の強豪私学が、今から手ぐすね引いて“佐々木包囲網”を狭めている。

 大船渡は18日、ライジング・サン・スタジアムで行われた釜石戦に延長10回、4―5のサヨナラ負け。「4番・右翼」で先発出場した佐々木は4打数1安打、期待された登板はなかった。

 佐々木は「チームが負けてしまってすごく悔しい。チャンスで一本が出なかった。そこで打てるよう、夏までに修正していきたい」。登板がなかったことについては「投げなかったことより、打てなかったことが悔しい」と話したが、夏も同様の展開となる可能性はあるかもしれない。

 大船渡の国保監督は「春はチームの総合力を上げたかった。圧倒的なワンマンチームになりそうで、それで果たしていいのかと。もちろん勝ちは目指していくが、誰が出ても勝てるようにしていきたい」と佐々木の登板回避の理由を説明。

 連戦が続く夏を見据え、2番手投手の成長を優先した格好だが「(佐々木が投げないことは)夏の大会でも状態によってはある。3年生の最後の夏ではあるが、あくまで部活動なので」と含みも持たせた。

 これで夏はノーシード。最大7試合を勝ち上がらなければならず、甲子園の道はさらに厳しさを増したが、そんな佐々木を強豪私学はどう見ているのか。

 19日に水沢を13―6の7回コールドで下した花巻東の佐々木監督は「今年の夏は大変な夏になる。失点の多いチームはすぐ負けちゃうでしょう」と話すと、足早に車に乗り込んだ。花巻東のあるナインは「あまり練習試合でも投げてないので、連投や完投はきかないのかなと思ってますが、昨日負けたことで初戦で当たる可能性が出てきた。万全な状態の佐々木くんとやるとしたら、より一層対策を徹底しないと」と警戒を強めている。

 具体的には「やっぱり体力不足が一番の弱点。ファウルで粘って球数を投げさせて、2番手を引きずり出すしかない。160キロをヒットにできなくても、バットに当てるぐらいはできるので」(別の選手)と待球作戦も視野に入れていることを明かした。

 同じく19日に10―0の5回コールドで一戸を破り、昨秋県大会では佐々木を打ち崩している盛岡大付は、最速173キロのバッティングマシンを導入している。

 関口監督は「高校時代の大谷を攻略したときに使っていたのが最速160キロのマシン『オオタニくん』。今のマシンは3年前に300万円かけて購入したんですが、去年の夏に『ロウキくん』と命名しました(笑い)。AI搭載で配球や変化球の組み立てはもちろん、打者ごとにパターンを記憶させることもできるスグレモノですよ」と自信満々でいる。選手たちも「練習から世界中のどの投手より速い球を打っている。速球なら打てない球はありません」と闘志をみなぎらせている。

 あの手この手で佐々木を討ち取ろうと牙を研ぐライバル校の選手たち。怪物は包囲網をかいくぐり、令和最初で高校最後の夏にチームを聖地へ導けるか。