163キロ右腕・佐々木朗希投手(大船渡=3年)が6日、春季岩手大会の高田戦に「4番・右翼」で先発出場。期待された登板こそなかったものの、4打数4安打2打点とバットでチームの快勝に貢献した。

 初回の第1打席は一死一、三塁のチャンスで先制の適時右前打。3回の第2打席ではショート強襲の内野安打で出塁すると、続く5番木下(3年)の右越え2ランで追加点のホームを踏んだ。5回一死一、二塁で迎えた第3打席もセンター返しの適時打を放ち、7回第4打席には左前打。右へ左へ4―4と打棒爆発で、集まった観衆を沸かせた。

 一方、エースに代わってマウンドを任されたのは「背番号10」の右腕・和田(3年)。コールドのため8回参考記録ながら無安打無失点4奪三振のノーヒットピッチで、主役顔負けの快投を披露した。

 7―0のコールド勝ちに佐々木は「ピッチャーが無失点で、打者陣も7得点取れたのはよかった。みんながつないでくれたので自分もつなげる気持ちで行きました」と満足げな表情。大船渡一中時代からチームメートで、当時エースナンバーを背負っていた和田については「後ろから見ていて頼もしく思った。投手陣みんなで勝っていけたら。そのなかで自分ができることをやりたい。競争できればと思います」と静かに対抗心を燃やす。

 17日からはいよいよ本戦が始まる。「春の大会ではいいチームと当たる。それを夏への収穫にしたい」と佐々木。令和の怪物は強力なチームメートも味方に、元年の甲子園に立てるか。