「令和の怪物」大船渡・佐々木朗希 メジャースカウト絶賛!超絶下半身リポート

2019年05月04日 16時34分

下半身を使った豪快なフォームで投げる佐々木。走力でもメジャースカウトをうならせた

「令和の怪物」こと大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)が3日、春季岩手県大会沿岸南地区予選準決勝の住田戦(平田運動公園野球場)に“令和初登板”。高校生歴代最速163キロ右腕の登場に、球場がヒートアップした。この日はMAX140キロとギアを落としたピッチングながら、3回1安打無失点。17―2(5回コールド)で県大会出場が決定。160キロ台の剛球こそ拝めなかったものの、球場に詰めかけた日米スカウトの間からは「超メジャー級」の下半身を絶賛する声が相次いだ。

 この日の佐々木は3回打者10人に39球(ストライク26球)を投げ、1安打無失点4奪三振と貫禄を見せつけた。最速はMAXより23キロも遅い140キロ。そのストレートを全39球中、44%の17球しか投げない変化球主体の“ローギア投法”でも、相手打線はきりきり舞いだ。

「(力加減は)4、5割」という佐々木は「まずは(チームとして)勝つことができてよかった。コントロールを意識しながら、変化球も試しながら投げました。配球だったり、緩急だったり今までの自分になかった引き出しをつくれたかなと思う。四球がなかったことが一番よかった。これからもコントロールを意識したテンポのいい投球を続けていきたい」とこの日の投球を振り返った。

 国保陽平監督は「ケガなく終われてよかった。(4月中旬に)骨密度の検査をしましたが、骨も靱帯も関節も含めて、まだ大人の体になっていない。球速に対する期待はありますが、そのスピードに耐えられる体ではない。代表合宿では周りの選手のレベルが高いこともあって(163キロが)出てしまった」とこの日の“スピード制限”に言及。いまだ成長過程にある体に今後も余計な負荷をかけ過ぎないよう、細心の注意を払っていく方針を語った。

 その一方で、スタンドの日米スカウトからは改めて佐々木の驚異的なスピードを生む原動力に称賛の声が相次いだ。

 この日の佐々木は「4番」としても2安打2打点の活躍。2回には相手守備の隙を突き、二塁から一気に本塁生還するなど、長い手足をしなやかに使いこなせるその走力に改めて「スーパー投手」としての期待が高まっている。

 ソフトバンク・作山スカウトチーフ補佐は「ポテンシャルの高さは素晴らしい。(190センチの)身長とか、走る姿とかを見てもモノが違う」。その投球はもちろんのこと、長い手足を自在に使いこなし、まるでチーターのように塁間を走り回った佐々木の走塁=全身のバネを絶賛した。

 同じ岩手が生んだ二刀流、エンゼルス・大谷や世界最速左腕、ヤンキース・チャプマンにも通じる「フィジカルエリート」佐々木の特長には、メジャーも重大な関心を寄せている。

 ある東海岸球団のスカウトは「まったくもって、佐々木君の持つ才能の源泉が大谷やチャプマンと同じ原理に由来しているであろうことに異論はない」としながらこう続けた。

「彼らフィジカルエリートの最大の特長はその走力にこそある。3人の共通点はいずれも(190センチを超える)あのサイズの体を末端まで無駄なくコントロールし、使いこなせていること。強靱な下半身が生み出すスピードを殺すことなく股関節、腰を経由してスムーズに上半身、肩、ヒジ、指先へと伝えていける能力。それがあるから他者との違いを生み出せる」

 50メートルを5・9秒で駆け抜ける佐々木のバネは、打ってから一塁到達まで3・8秒台後半で駆け抜けるメジャー・エリートクラスの大谷の走力にも匹敵する。またチャプマンも「レッズ在籍時代、塁間走は野手を含めてチームナンバーワンだった」(メジャー関係者)という。

 163キロ投球のエンジンともなっている、佐々木の驚異的下半身。その動力を無駄なくボールに連動させられる能力にこそ、日米スカウトは大谷と同様、投手としての最大の価値を見いだしている。

【技巧も高評価】この日の相手・住田は部員がわずか9人。佐々木は初球135キロのストレートで滑り出すと、初回をチェンジアップ、カーブ、カーブという変化球を決め球に三振、三振、中飛と14球で三者凡退の危なげない立ち上がり。2回もわずか11球で3人斬り。3回、先頭打者に浮いたチェンジアップを初安打(左前打)されたものの後続を断ち、その裏自らの2点適時打などもあり6得点。この時点で14―0の試合展開だったこともあり余裕を持って2番手にバトンタッチ。

 パワーピッチングをあえて封印し、変化球主体のスタイルでも相手を寄せ付けなかったこの日の投球について、ソフトバンク・作山スカウトチーフ補佐は「すごいのは分かっている。今日は変化球の精度がよくなっていた。いろいろ試しながら投げているのは分かった。こちらはそれ以外のところを見ている。ちょっと抑えながらでも0点に抑えるのはすごいなと思いますし、余裕があるなと思った」と技巧派スタイルを評価していた。