第91回選抜高校野球大会(23日から12日間=甲子園球場)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内で行われた。優勝候補筆頭の星稜(石川)は大会第1日第3試合で履正社(大阪)と激突。プロ注目右腕の奥川(3年)を擁し昨秋の神宮大会では準Vと、優勝候補の大本命に挙げられるが、当の星稜を筆頭に強豪校から一斉に“影の優勝候補”として意外な学校を推す声が上がった。

 抽選を終えた星稜・林監督は「履正社のほうが強いんじゃないですか。投打に破壊力がある」と警戒。「神宮が終わったあとから選抜の優勝候補と言っていただいてきたが、選手たちにはよくて5番目から10番目くらいの実力だと言ってきた。野手陣の頑張りしだい。うちで全国レベルは奥川だけ」と慎重な発言に終始した。

 さらに指揮官は「本当に強いのは広陵(広島)さん。中国大会を見に行ったが、創志学園との準決勝は近年見ない好ゲームだった。神宮では勝ちましたが、中国大会から1週間もないなかで向こうはボロボロの状態。うちは万全の状態で、データも相当分析して臨んでいた。ガチンコでぶつかったら間違いなくコテンパンにされる」と広陵の強さを熱弁。昨秋神宮大会では9―0の7回コールドで大勝しているが、それもフロックと言わんばかりに広陵を“真の大本命”に挙げた。

 これに呼応するように龍谷大平安(京都)の原田監督も「広陵は特に力がありますね。一番強いかもわからん」、履正社の岡田監督も「星稜と広陵の2校が抜けてる。投打ともにレベルが高い。うちのレベルでは崩せるかどうか」と話すなど、名将たちがこぞって神経をとがらせた。

 広陵・中井監督は「林監督がうちを推してる? 社交辞令ですよ、ハハハ」とけむに巻いたが…。注目の広陵は大会第4日第2試合でベールを脱ぐ。